ITパスポートから基本情報技術者試験へ進むには?ステップアップ方法

公開日: 2026-05-26

ITパスポートに合格したあと、次に基本情報技術者試験を目指すべきか迷っていませんか?

ITパスポートでITの全体像が少し見えてくると、次の資格として基本情報技術者試験が気になってきます。 けれど、いざ調べてみると科目Aや科目B、擬似言語、アルゴリズムといった言葉が出てきて、急に難しそうに感じますよね。

結論からいうと、ITパスポートに合格した人は、基本情報技術者試験へステップアップしやすいです。

ただし、同じ感覚で勉強するとつまずきます。ITパスポートは広く浅く学ぶ試験ですが、基本情報技術者試験はITの考え方をより深く理解し、プログラムの処理を読める力も求められます。

この記事では、ITパスポートから基本情報技術者試験へ進む人に向けて、何が変わるのか、何から勉強すればいいのか、どの順番でステップアップすればよいのかを初心者向けに解説します。

ITパスポートの次に基本情報技術者試験を目指すのはあり?

まずは、ITパスポートの次に基本情報技術者試験を目指す意味を整理しておきましょう。

ITパスポートは、ITを利用するすべての社会人に向けた基礎的な国家試験です。ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系を幅広く学ぶので、ITの全体像を知るにはとてもよい入口です。

一方で、基本情報技術者試験は、ITエンジニアとしての基礎力を問う試験です。

もちろん、エンジニアだけが受ける資格ではありません。ただ、内容としてはプログラミング、アルゴリズム、データベース、ネットワーク、セキュリティなど、ITを作る側の知識がより強くなります。

ITパスポート合格者は土台ができている

ITパスポートを勉強した人は、すでに基本情報技術者試験に必要な土台をいくつか持っています。

ただし難易度はしっかり上がる

ここは大事です。

ITパスポートに合格できたからといって、基本情報技術者試験も同じ勉強量で合格できるとは限りません。基本情報技術者試験では、知識を覚えるだけでなく、処理の流れを考える問題が増えます。

特に科目Bでは、擬似言語で書かれたプログラムを読み、変数の値や条件分岐、繰返し処理を追いかける必要があります。

ITパスポートでテクノロジ系が苦手だった人は、基本情報に進む前に少し準備をしておくと安心です。焦らなくて大丈夫です。

ITパスポートと基本情報技術者試験の違い

次に、2つの試験の違いを見ていきましょう。

名前はどちらも情報処理技術者試験の一つですが、求められるレベルや出題形式はかなり違います。 ここを理解しておくと、勉強の方向性を間違えにくくなります。

比較項目 ITパスポート 基本情報技術者試験
位置づけ ITを利用する人向けの基礎試験 ITエンジニアの登竜門
試験時間 120分 科目A 90分、科目B 100分
出題数 100問 科目A 60問、科目B 20問
主な形式 四肢択一 科目Aは知識問題、科目Bは読解・処理追跡
合格基準 総合600点以上かつ各分野300点以上 科目A・科目Bともに600点以上
難しくなる部分 範囲の広さ アルゴリズム、擬似言語、応用的な理解

ITパスポートは、広い範囲から浅く出題されます。

基本情報技術者試験は、ITパスポートと同じ分野もありますが、問われ方が一段深くなります。特にテクノロジ系は、用語を知っているだけでは解きにくくなります。

科目AはITパスポートの延長で学べる

基本情報技術者試験の科目Aは、知識問題が中心です。

ストラテジ、マネジメント、テクノロジの幅広い分野から出題されるため、ITパスポートで学んだ内容がかなり活きます。たとえば、セキュリティ、ネットワーク、データベース、システム開発、経営戦略などはつながりやすい分野です。

ただし、用語の意味だけでなく、仕組みや計算まで問われることがあります。

ITパスポートではなんとなく選べた問題も、基本情報ではもう少し正確な理解が必要です。科目Aは、ITパスポートの知識を復習しながら深掘りするイメージで進めるとよいです。

科目Bは新しい壁になりやすい

基本情報技術者試験で多くの人がつまずくのが科目Bです。

科目Bは、アルゴリズムとプログラミング、情報セキュリティを中心に出題されます。IPAのサンプル問題では、科目Bの分野別出題割合はアルゴリズムとプログラミングが8割、情報セキュリティが2割とされています。

つまり、基本情報技術者試験に進むなら、擬似言語とアルゴリズムは避けて通れません

ITパスポートの擬似言語で苦手意識があった方は、ここで一気に難しく感じるかもしれません。でも、最初から難問を解く必要はありません。

短い処理を読み、変数の値を追うところから始めれば大丈夫です。

【関連記事】基本情報技術者試験の科目Bとは?擬似言語・アルゴリズム対策を初心者向けに解説

基本情報へ進む前に確認したいこと

ここからは、実際にステップアップする前の準備を見ていきます。

ITパスポート合格直後は、勢いがあります。その勢いで基本情報へ進むのはとても良いことです。ただ、いきなり分厚い参考書を開く前に、自分の得意・不得意を確認しておくと勉強が楽になります。

ITパスポートのどの分野が得意だったか

まず、ITパスポートでどの分野が得意だったかを振り返ってみましょう。

ストラテジ系が得意だった人は、経営戦略や企業活動の知識が入りやすいはずです。マネジメント系が得意だった人は、プロジェクト管理やサービス管理の考え方が理解しやすいでしょう。

一方で、基本情報技術者試験で特に重要になるのはテクノロジ系です。

テクノロジ系が苦手だった人は、ネットワーク、データベース、セキュリティ、2進数、論理演算あたりを先に復習しておくと安心です。全部を完璧にする必要はありません。

苦手な場所を知るだけでも、勉強の迷いはかなり減ります。

擬似言語への苦手意識があるか

次に確認したいのが、擬似言語への苦手意識です。

ITパスポートでは、擬似言語を深く勉強しなくても合格できた人がいるかもしれません。ただ、基本情報技術者試験の科目Bでは、擬似言語を読めることがかなり重要になります。

ここで大切なのは、得意である必要はないということです。

最初は読みにくくて当然です。プログラムは普段の日本語の文章とは読み方が違います。変数の値を覚えながら、条件分岐や繰返しを追う必要があります。

だから、苦手でも問題ありません。大事なのは、早めに慣れ始めることです。

擬似言語に不安がある方は、以下の記事から戻って確認してみてください。

【関連記事】擬似言語の勉強方法とは?IT初心者でも無理なく身につく学習ステップを解説

ITパスポートから基本情報へ進む勉強ステップ

では、具体的に何から勉強すればよいのでしょうか。

おすすめは、ITパスポートの復習から始めて、科目A、科目Bの順に少しずつ広げる方法です。科目Bだけを後回しにしすぎると、試験直前に焦りやすいので注意しましょう。

ステップ 学習内容 目的
1 ITパスポートのテクノロジ系を復習する 基本情報の土台を作る
2 基本情報の科目Aで頻出分野を学ぶ 知識問題で点を取る
3 擬似言語の基本を学ぶ 科目Bの入口を作る
4 短いプログラムをトレースする 変数の変化を追えるようにする
5 科目Bのサンプル問題に触れる 本番形式に慣れる
6 科目Aと科目Bを並行して復習する 得点を安定させる

この順番なら、IT初心者でも段階的に進めやすいです。

いきなり科目Bの長い問題から始めると、心が折れやすいです。まずは、見たことがある分野から進めましょう。

ステップ1:テクノロジ系を復習する

最初に復習したいのは、ITパスポートのテクノロジ系です。

基本情報技術者試験の科目Aでは、テクノロジ系の知識がより細かく問われます。ネットワークならIPアドレスやプロトコル、データベースなら正規化やSQL、セキュリティなら暗号化や認証の理解が必要になります。

ITパスポートで聞いたことがある用語でも、基本情報では選択肢が少し紛らわしくなります。

まずは、苦手な用語を見直しましょう。特に、ネットワーク、データベース、セキュリティは基本情報でも重要です。

ステップ2:科目Aの全体像をつかむ

次に、科目Aの全体像をつかみます。

科目Aは、知識問題が中心なので、ITパスポートの勉強法に近い部分があります。参考書や過去問を使いながら、出題範囲を広く確認していきましょう。

ただし、丸暗記だけでは少し苦しくなります。

たとえば、セキュリティの用語を覚えるときも、なぜその対策が必要なのかを考えると記憶に残りやすくなります。実務でも、ただ用語を知っている人より、仕組みを説明できる人の方が強いです。

エンジニア歴10年の経験から見ても、基本の用語を自分の言葉で説明できる力はかなり大事です。これは試験にも実務にも効きます。

ステップ3:擬似言語の基本を固める

科目Aだけでなく、早めに科目Bにも触れておきましょう。

最初にやるべきことは、擬似言語の基本です。変数、代入、条件分岐、繰返し、配列の5つを押さえると、科目Bの問題がかなり読みやすくなります。

たとえば、次のような短い処理を見てみます。

整数型: price
整数型: count
整数型: total

price ← 120
count ← 3
total ← price × count

print(total)

この処理では、priceに120、countに3を入れています。

そのあと、price × count の結果を total に入れています。つまり、totalは360になります。

ここで大切なのは、プログラムを暗記することではありません。どの値が、どの順番で、どの変数に入るのかを追うことです。

ステップ4:トレースを練習する

擬似言語に少し慣れたら、トレースを練習します。

トレースとは、変数の値がどのように変わるかを1行ずつ追うことです。科目Bでは、この力がとても大切です。

整数型: i
整数型: total ← 0

for (i を 1 から 4 まで 1 ずつ増やす)
  total ← total + i
endfor

print(total)

この処理では、iが1、2、3、4と変化します。

totalは最初0です。1回目で1、2回目で3、3回目で6、4回目で10になります。

回数 i total
初期値 - 0
1回目 1 1
2回目 2 3
3回目 3 6
4回目 4 10

最初は表を書きながらで大丈夫です。

むしろ、表を書いた方が伸びます。実務でも、複雑な処理を読むときはメモを取りながら確認します。頭だけで全部追おうとしなくて大丈夫です。

勉強時間の目安とスケジュール

ここで気になるのが、どれくらい勉強すればよいのかです。

必要な勉強時間は、IT経験やITパスポートの理解度によって変わります。ITパスポートの内容がまだあやふやな人と、テクノロジ系までしっかり理解している人では、スタート地点が違います。

目安としては、ITパスポート合格後に基本情報を目指すなら、2〜4か月くらいの学習期間を見ておくと進めやすいです。

もちろん、毎日どれくらい勉強できるかによって変わります。社会人で平日30分から1時間なら、余裕を持って3か月以上あると安心です。

期間 学習の進め方
1か月目 科目Aの基礎復習とテクノロジ系の強化
2か月目 擬似言語、アルゴリズム、セキュリティを重点的に学ぶ
3か月目 科目Aと科目Bの問題演習を並行して進める
直前期 苦手分野の復習と時間配分の確認

ここで大切なのは、科目Bを後回しにしすぎないことです。

科目Aは暗記で伸ばしやすい部分がありますが、科目Bは慣れるまで時間がかかります。試験の2週間前から初めて触ると、かなり焦ります。

少しずつでいいので、早めに擬似言語を読む時間を作りましょう。

ITパスポート合格者がつまずきやすいポイント

ITパスポートから基本情報へ進むとき、多くの人が同じところでつまずきます。

先に知っておくと、必要以上に落ち込まずに済みます。難しいと感じるのは、あなたの理解力が低いからではありません。

用語暗記だけでは解けない

ITパスポートでは、用語の意味を覚えるだけで解ける問題も多くあります。

しかし、基本情報技術者試験では、用語を知っていることに加えて、仕組みを理解しているかが問われます。たとえば、データベースなら主キーという言葉を知っているだけでなく、なぜ必要なのか、どのデータを一意に識別するのかまで考える必要があります。

暗記は大切です。

ただし、暗記だけに寄りすぎると伸び悩みます。用語を覚えたら、できるだけ具体例とセットで理解しましょう。

科目Bで手が止まる

基本情報で一番つまずきやすいのは、やはり科目Bです。

科目Bは、問題文を読んで、プログラムの動きを考えます。最初は何を見ればよいのかわからず、時間だけが過ぎてしまうことがあります。

そんなときは、いきなり答えを出そうとしなくて大丈夫です。

まず、変数の初期値を確認します。次に、繰返しが何回動くかを見ます。そして、条件分岐でどちらに進むかを追います。

この順番で見るだけでも、混乱しにくくなります。

基本情報へ進む人におすすめの学習順

最後に、これから学習を始める人向けに、具体的な順番をまとめます。

迷ったときは、次の流れで進めてみてください。

順番 やること ポイント
1 ITパスポートのテクノロジ系を復習 苦手な用語を洗い出す
2 基本情報の科目Aを広く学ぶ まずは全体像をつかむ
3 擬似言語の記号と代入を学ぶ 科目Bの入口を作る
4 条件分岐と繰返しを練習 トレースに慣れる
5 セキュリティを強化 科目A・科目Bの両方で重要
6 科目Bの問題演習 時間配分にも慣れる
7 苦手分野を戻って復習 できない部分をつぶす

この順番のよいところは、無理なく基本情報の世界に入れることです。

ITパスポートの延長で学べるところから始めて、少しずつ科目Bに慣れていきます。いきなり難しいアルゴリズムに挑戦しなくても大丈夫です。

小さなコードを読めるようになること。

まずは、ここを目標にしましょう。

まとめ

ITパスポートから基本情報技術者試験へ進むのは、良いステップアップです。

ITパスポートで学んだストラテジ、マネジメント、テクノロジの知識は、基本情報技術者試験でもしっかり活きます。特に、ネットワーク、データベース、セキュリティ、システム開発の知識はつながりやすいです。

ただし、基本情報技術者試験では、科目Bという新しい壁があります。

擬似言語やアルゴリズムは、最初は難しく感じるかもしれません。でも、変数、代入、条件分岐、繰返しを一つずつ学べば、少しずつ読めるようになります。

大切なのは、ITパスポートと同じ勉強法だけで進めないことです。

基本情報では、暗記だけでなく、処理を追う力が必要になります。読む、予想する、実行する、直す。この流れを意識して学習すると、科目Bへの苦手意識も減っていきます。

ITパスポートに合格したあなたには、もうITの入口に立つ力があります。

次は、基本情報技術者試験でその知識をもう一段深めていきましょう。焦らず、まずはテクノロジ系の復習と、短い擬似言語を読むところから始めてみてください。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

参考情報

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