基本情報技術者試験は何から勉強する?初心者向けの始め方

公開日: 2026-05-28

基本情報技術者試験の勉強を始めようと思ったとき、最初に悩むのが何から手をつければいいのかということです。

参考書を開くと、コンピュータ、ネットワーク、データベース、セキュリティ、マネジメント、経営戦略、そして擬似言語まで出てきます。範囲が広すぎて、いきなり心が折れそうになりますよね。

でも、安心してください! 基本情報技術者試験は、正しい順番で勉強すれば、IT初心者でも十分に合格を目指せる試験です。

大切なのは、最初から全部を完璧にしようとしないことです。まずは試験の全体像をつかみ、科目Aで土台を作り、少しずつ科目Bの擬似言語とアルゴリズムに慣れていく流れがおすすめです。

この記事では、基本情報技術者試験をこれから勉強する初心者向けに、何から始めればよいか、どの順番で学ぶと挫折しにくいかを解説します。

基本情報技術者試験とは

まずは、基本情報技術者試験がどのような試験なのかを整理しておきましょう。

基本情報技術者試験は、ITエンジニアを目指す人や、ITの基礎を体系的に学びたい人に向いている国家試験です。ITパスポートよりも一段深く、技術的な内容やプログラミング的な考え方まで問われます。

IPAの公式情報では、基本情報技術者試験は科目Aと科目Bに分かれています。科目Aは90分で60問、科目Bは100分で20問です。

ざっくり言うと、科目AはIT知識を広く問う試験、科目Bは擬似言語やセキュリティを中心に考える力を問う試験です。

科目Aと科目Bの違い

最初に迷いやすいのが、科目Aと科目Bのどちらから勉強すべきかです。

結論から言うと、IT初心者は科目Aから始めるのがおすすめです。理由は、科目Aで学ぶ用語や考え方が、科目Bの理解にもつながるからです。

試験区分 内容 初心者が意識したいポイント
科目A テクノロジ、マネジメント、ストラテジなどの基礎知識 まずは用語と全体像を覚える
科目B 擬似言語、アルゴリズム、情報セキュリティ 処理の流れを読む練習が必要
共通して大切なこと ITの基本的な考え方 暗記だけでなく理解も必要

科目Aは範囲が広いですが、短い問題が多く、知識を積み上げるほど点数に反映されやすいです。

一方で科目Bは、プログラムの流れを読んだり、変数の値を追ったりする問題が出ます。ここは慣れが必要なので、早めに少しずつ触れておくと安心です。

初心者は何から勉強するべきか

では、具体的に何から始めるとよいのでしょうか。

最初におすすめなのは、試験範囲を細かく暗記することではありません。まずは、基本情報技術者試験で何が問われるのかをざっくりつかむことです。

まずは全体像をつかむ

基本情報技術者試験は、ITの世界を広く学ぶ試験です。

コンピュータの仕組み、ネットワーク、データベース、セキュリティ、システム開発、プロジェクト管理、経営戦略など、いろいろな分野が出てきます。

最初からすべてを完璧に理解しようとすると、かなり大変です。

なので、最初の1周目では、これはネットワークの話なんだな、これは会社の戦略の話なんだな、くらいの理解で大丈夫です。細かい暗記は2周目以降で少しずつ固めていきましょう。

科目Aのテクノロジ系から始める

IT初心者にまずおすすめしたいのは、科目Aのテクノロジ系です。

テクノロジ系には、コンピュータの基本、2進数、データベース、ネットワーク、セキュリティなどが含まれます。基本情報技術者試験らしい内容が多く、科目Bにもつながりやすい分野です。

たとえば、変数や配列、データベース、セキュリティの考え方を科目Aで学んでおくと、科目Bの問題を読んだときにも意味が取りやすくなります。

逆に、最初から科目Bの擬似言語だけに突っ込むと、問題文に出てくる用語がわからず、余計に難しく感じることがあります。

ストラテジ系とマネジメント系は後回しでもよい

ストラテジ系やマネジメント系も大切です。

ただ、IT初心者が最初に取り組むと、経営用語や管理用語が多く、ITを勉強している感覚が少し薄いかもしれません。もちろん得点源にはなりますが、最初の一歩としてはテクノロジ系から入る方が、基本情報らしい土台を作りやすいです。

とはいえ、文系出身の方や社会人経験がある方は、ストラテジ系の方が理解しやすいこともあります。

自分にとって読みやすい分野から始めるのも悪くありません。大切なのは、最初の数日で挫折しないことです。

おすすめの勉強順

ここからは、初心者向けにおすすめの勉強順を紹介します。

この順番で進めると、知識の土台を作りながら、科目Bにも無理なくつなげやすくなります。

順番 学ぶ内容 目的
1 試験の全体像を知る 何を勉強する試験か理解する
2 科目Aのテクノロジ系を学ぶ ITの基礎を固める
3 セキュリティを重点的に学ぶ 科目A・科目Bの両方に備える
4 科目Aのマネジメント系・ストラテジ系を学ぶ 広い範囲で得点を安定させる
5 擬似言語の基本を学ぶ 科目Bの土台を作る
6 科目Bの演習をする 本番形式に慣れる
7 過去問や予想問題で復習する 弱点を見つけて補強する

この表を見ると、やることが多く感じるかもしれません。

でも、一つずつ進めれば大丈夫です。最初に全範囲を完璧にする必要はありません。

1周目は理解を優先する

1周目の目的は、暗記ではなく理解です。

たとえば、ネットワークでIPアドレスやDNSが出てきたら、細かい数値を覚える前に、インターネットで通信するための仕組みなんだなと理解します。

データベースなら、情報を表のように整理して保存する仕組みなんだな、くらいで大丈夫です。

最初から用語を一字一句覚えようとすると、勉強がつらくなります。まずは全体像をつかみましょう。

2周目で用語を覚える

2周目に入ったら、用語を少しずつ覚えていきます。

基本情報技術者試験では、似たような用語がたくさん出ます。たとえば、認証と認可、暗号化とハッシュ、可用性と完全性などです。

このような用語は、ただ丸暗記するより、違いを説明できるようにすると定着しやすくなります。

エンジニア歴10年の立場から見ても、IT用語は実務で何度も出てきます。試験のためだけでなく、将来ITの仕事をするときにも役立つので、ここは丁寧に積み上げておく価値があります。

科目Bはいつから始めるべきか

基本情報技術者試験で多くの人が不安になるのが科目Bです。

科目Bには、擬似言語によるアルゴリズムとプログラミング、そして情報セキュリティが出題されます。IPAの科目Bサンプル問題でも、科目Bはアルゴリズムとプログラミングが8割、情報セキュリティが2割を想定すると示されています。

つまり、基本情報で合格を目指すなら、擬似言語は避けて通れません。

科目Aを少し進めたら科目Bにも触れる

初心者の場合、科目Aを一通り終えてから科目Bに入る人も多いです。

ただ、個人的には、科目Aをある程度進めた段階で、科目Bにも少し触れておくのがおすすめです。理由は、科目Bは慣れるまでに時間がかかるからです。

たとえば、科目Aのテクノロジ系を半分くらい学んだら、擬似言語の基本だけでも見ておきましょう。

変数、代入、条件分岐、繰返し。この4つに触れておくだけでも、あとで科目Bに本格的に入るときの抵抗感がかなり減ります。

【関連記事】基本情報技術者試験の科目Bとは?擬似言語・アルゴリズム対策を初心者向けに解説

擬似言語は小さなコードから始める

科目B対策で大切なのは、いきなり難しい問題を解かないことです。

まずは、短いコードを読んで、処理の流れをつかむ練習から始めましょう。

○main
整数型: price
整数型: count
整数型: total
price ← 120
count ← 3
total ← price × count
print(total)

このコードでは、priceに120、countに3を入れています。

そのあと、price × count の結果をtotalに入れて、最後にtotalを表示します。実行結果は360です。

難しく見えるかもしれませんが、やっていることは120円の商品を3個買った合計を求めているだけです。

擬似言語は、1行ずつ意味に直すと読みやすくなります。最初はゆっくりで大丈夫です。

【関連記事】擬似言語とは?IT初心者にもわかる意味・書き方・プログラミングとの違いをやさしく解説

初心者がつまずきやすいポイント

ここで、初心者が基本情報の勉強でつまずきやすいポイントを整理しておきます。

先に知っておくと、自分だけができないわけではないと安心できます。

範囲が広くて終わりが見えない

基本情報技術者試験は、範囲が広いです。

ITパスポートよりも技術的な内容が深く、科目Bもあるため、最初は終わりが見えないように感じるかもしれません。

でも、すべての分野を同じ深さで勉強する必要はありません。

最初は、よく出る分野を優先しましょう。セキュリティ、ネットワーク、データベース、アルゴリズムは、特に重要です。

擬似言語で手が止まる

科目Bの擬似言語で手が止まる人は多いです。

プログラミング経験がない方にとって、変数や繰返しは見慣れない考え方です。さらに、試験本番では時間制限もあるので、焦ってしまいます。

ただ、擬似言語は才能で読むものではありません。

変数の値を表に書く、条件を一つずつ確認する、繰返しの回数を数える。こうした基本動作を練習すれば、少しずつ読めるようになります。

【関連記事】擬似言語の勉強方法とは?IT初心者でも無理なく身につく学習ステップを解説

暗記だけで進めてしまう

科目Aは暗記で解ける問題もあります。

ただ、すべてを暗記だけで乗り切ろうとすると、少し聞き方が変わった問題で迷いやすくなります。特にセキュリティやデータベースは、意味を理解しておくと応用がききます。

たとえば、ハッシュは元に戻せない形でデータを変換する仕組みです。

この意味がわかっていれば、パスワード保存や改ざん検知の話につながります。単語だけを覚えるより、どこで使われるのかまで見ると理解が深まります。

勉強時間の目安

基本情報技術者試験に必要な勉強時間は、人によって大きく変わります。

IT経験がある人と、完全な初心者ではスタート地点が違うからです。ここでは、あくまで目安として考えてください。

学習者のタイプ 勉強時間の目安 進め方のポイント
IT初心者 150〜250時間 科目Aの基礎から丁寧に進める
ITパスポート合格者 100〜180時間 テクノロジ系と科目Bを重点的に学ぶ
プログラミング経験者 80〜150時間 科目Aの暗記分野とセキュリティを補強する
実務経験者 50〜120時間 弱点分野と試験形式への慣れを重視する

数字だけを見ると、けっこう多く感じるかもしれません。

ただ、1日1時間でも3〜6か月あれば十分に積み上げられます。短期で詰め込むより、毎日少しずつ続ける方が、初心者には向いています。

最初の1週間でやること

最初の1週間は、勉強を進めるというより、習慣を作る期間にしましょう。

参考書を1章読む、動画を1本見る、擬似言語の短いコードを1つ読む。このくらいで十分です。

大切なのは、今日も少し進んだという感覚を作ることです。

最初から1日3時間やろうとすると、続かないことがあります。まずは20分でもよいので、毎日触れることを目標にしましょう。

独学で進めるときの教材選び

基本情報技術者試験は、独学でも合格を目指せます。

ただし、教材選びを間違えると、途中で迷いやすくなります。最初は、参考書、過去問、擬似言語の練習環境をそろえると進めやすいです。

参考書は1冊に絞る

初心者がやりがちなのが、参考書を何冊も買ってしまうことです。

もちろん悪いことではありませんが、最初は1冊に絞った方がよいです。複数の本を同時に使うと、説明の順番や言葉が違って混乱しやすくなります。

まずは、図解が多く、初心者向けに説明されている本を1冊選びましょう。

その1冊を何度も読み、わからないところを少しずつ埋める方が効率的です。

過去問は早めに見る

過去問や公開問題は、勉強の後半だけに使うものではありません。

最初の段階で少し見ておくと、どんな聞かれ方をするのかがわかります。もちろん、最初は解けなくて大丈夫です。

問題を見て、これは今後できるようになるんだなと思えれば十分です。

ただし、過去問だけを丸暗記するのは注意が必要です。基本情報は考え方を問う問題も多いので、なぜその答えになるのかを確認しましょう。

私がすすめる始め方

ここでは、少し私の話をします。

私は、エンジニアとして10年ほどコードを書いたり、システムを見たりしています。感じるのは、基本情報の内容は実務の土台になっているということです。

ネットワーク、データベース、セキュリティ、アルゴリズム。どれも現場で何度も出てきます。

ただし、最初から実務レベルで理解する必要はありません。

初心者の段階では、言葉を見たことがある、ざっくり意味がわかる、簡単な問題なら解ける。この状態を目指せば十分です。

私が初心者におすすめするのは、完璧主義を捨てることです。

1回読んでわからないのは普通です。むしろ、基本情報の範囲を1回で全部理解できる人の方が少ないと思います。

大事なのは、何度も戻ることです。

最初はわからなかった用語も、科目Aを進め、科目Bを少し触り、過去問を解くうちに、あとからつながる瞬間があります。その瞬間が増えると、勉強はかなり楽になります。

試験前までの学習スケジュール例

最後に、初心者向けの学習スケジュール例を紹介します。

3か月で合格を目指す場合は、次のような流れが現実的です。

期間 学習内容 目標
1〜2週目 試験全体と科目Aのテクノロジ系 全体像をつかむ
3〜4週目 ネットワーク、データベース、セキュリティ 重要分野を固める
5〜6週目 マネジメント系、ストラテジ系 科目A全体を一通り学ぶ
7〜8週目 擬似言語、アルゴリズムの基礎 科目Bに慣れる
9〜10週目 科目Bの演習 変数や繰返しを追えるようにする
11〜12週目 過去問、弱点復習、模擬演習 本番形式に慣れる

もちろん、この通りに進まなくても大丈夫です。

仕事や学校が忙しい時期もあります。予定が崩れたら、また立て直せばよいだけです。

直前期は新しいことを増やしすぎない

試験直前は、新しい教材に手を出しすぎない方がよいです。

不安になると、もっとやらなきゃと思ってしまいますよね。でも、直前期に大切なのは、今まで学んだ内容を確実にすることです。

科目Aでは、よく間違える用語を見直します。

科目Bでは、短い擬似言語を使って、変数の変化や繰返しの回数を確認しましょう。難問ばかり追いかけるより、取れる問題を落とさないことが大切です。

まとめ

基本情報技術者試験は、範囲が広く、IT初心者には難しく感じやすい試験です。

ただ、何から勉強するかを決めれば、進め方はかなり見えやすくなります。

まずは試験の全体像を知り、科目Aのテクノロジ系から勉強を始めましょう。そのあと、セキュリティ、マネジメント系、ストラテジ系を広げていきます。

そして、早い段階で科目Bの擬似言語にも少し触れておくことが大切です。

基本情報技術者試験で大切なのは、暗記だけでなく処理の流れを理解することです。特に科目Bでは、変数、代入、条件分岐、繰返しを1行ずつ追う力が必要になります。

最初は時間がかかっても大丈夫です。

1日20分でも、積み上げれば大きな差になります。焦らず、まずは科目Aの基礎と短い擬似言語から始めていきましょう。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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