基本情報技術者試験は独学で合格できる?初心者向けの進め方を解説

公開日: 2026-09-07

独学で受かるのかな。スクールに行ったほうがいいのかな。

参考書を買う前に、そこで手が止まっていませんか?

基本情報技術者試験は、独学で合格している人がたくさんいる試験です。だから独学でいけるはずだ、と頭では分かっています。

それでも不安が残るのは、途中で分からなくなったときに聞ける相手がいないからではないでしょうか。

私はエンジニアとして10年以上、Webシステムの開発や運用に携わってきました。新人が資格の勉強でつまずく場面を何度も見てきましたが、脱落する理由はいつも似ています。

頭が悪いからでも、時間が足りないからでもありません。分からない状態のまま何日も止まってしまうことが、独学の一番の敵です。

この記事では、独学で合格するための進め方を、つまずきやすい順番に沿ってお伝えします。読み終わるころには、明日から何をすればいいかがはっきりしているはずです。

そもそも試験の全体像がまだあいまい、という人は先にこちらを読むと理解が早くなります。

【関連記事】基本情報技術者試験とは?試験内容・難易度・勉強法を初心者向けに解説

結論:独学で合格できる。ただし条件がある

先に結論からお伝えします。基本情報技術者試験は、独学で十分に合格できる試験です。

理由は単純で、必要な教材がすべて手に入るからです。参考書も過去問も、学習用のサイトも整っています。

ただし、条件が一つあります。分からないまま放置しない仕組みを、自分で用意しておくことです。

スクールにお金を払う価値があるとしたら、それは知識を教えてもらえることではありません。止まったときに前へ進ませてもらえることです。

つまり独学で必要なのは、その部分を別の方法で埋めることになります。何が自力で足りて、何が足りないのかを整理しておきましょう。

学習の要素 独学で足りるか 独学のときの埋め方
知識のインプット 足りる 参考書や学習サイトで十分
問題演習 足りる 過去問演習を繰り返す
つまずいたときの解消 足りにくい 動かせる教材や解説記事で確かめる
学習ペースの管理 足りにくい 試験日を先に決めて逆算する

表の下2つが、独学の弱点になりやすい部分です。ここさえ手当てできれば、独学かどうかは合否をほとんど左右しません。

実務でも同じことが起きます。独学でプログラミングを覚えた人はたくさんいますが、伸びる人は必ず、分からない状態を短時間で終わらせる手段を持っていました。

逆に言えば、その手段さえ用意できるなら、費用をかけずに進めて問題ありません。独学かどうかより、止まった時間の長さのほうが合否に効いてきます。

独学がうまくいく人と、途中で苦しくなる人の違い

同じ独学でも、順調に進む人と止まってしまう人がいます。その差は、意志の強さではありません。

やり方の違いが、そのまま結果の違いになっています。よくある2つのパターンを見ていきましょう。

分からない状態を何日も抱えてしまう

つまずいたとき、独学だと自分で解決するしかありません。ここで真面目な人ほど、分かるまで同じページを読み返してしまいます。

同じ説明を3回読んで分からなかったなら、4回目でも分からないことがほとんどです。それは理解力の問題ではなく、説明の切り口が自分に合っていないだけです。

やるべきなのは、別の切り口の説明を探すことです。文章で分からなかったものが、図やコードの動きを見た瞬間に理解できることは珍しくありません。

私も新しい技術を学ぶとき、公式の説明で分からなければすぐ手を動かします。読んで分かろうとする時間を延ばしても、たいてい報われないからです。

そして、どうしても分からない項目は、印を付けて先へ進んでかまいません。あとの単元を学んでから戻ると、すんなり読めることがよくあります。

予定を立てないまま始めてしまう

もう一つは、試験日を決めずに勉強を始めてしまうパターンです。いつでも受けられる試験なので、つい後回しにできてしまいます。

締め切りがない勉強は、優先順位がどんどん下がります。仕事や学校が忙しくなった週に、まっさきに削られるのが資格勉強です。

だから独学では、先に試験日を決めてしまうことをおすすめします。申し込んでしまえば、逆算して予定を組むしかなくなります。

必要な勉強時間の目安から逆算したい人は、こちらの記事に配分の考え方をまとめています。

【関連記事】基本情報技術者試験の勉強時間は何時間?未経験・社会人別に目安と配分を解説

独学の進め方を4つの段階に分ける

ここからは、実際の進め方をお伝えします。独学でつまずかないコツは、やることを段階に分けて、今どこにいるかを見失わないことです。

全体を4つに分けると、進み具合が自分で確認できるようになります。まず表で流れをつかんでください。

段階 やること 終わりの目安
1 試験の形と出題範囲をつかむ 科目Aと科目Bの違いを説明できる
2 科目Aの知識を一周する 参考書を最後まで読み終える
3 科目Bを手を動かして詰める 擬似言語のコードを自力で追える
4 過去問で仕上げる 時間内に解き切れる

段階1と2は、多くの人が自然にできます。独学で差がつくのは段階3です。

そして重要なのは、段階3を後回しにしないことです。順番に並べてはいますが、科目Bへの着手だけは早めるほうが安全です。

段階1と2:知識のインプットは早めに終わらせる

最初にやるのは、試験の形をつかむことです。基本情報技術者試験は科目Aと科目Bに分かれていて、それぞれ性質がまったく違います。

科目Aは知識を問う試験で、覚えれば得点になります。一方の科目Bは、擬似言語で書かれたコードを読んで解く試験です。

この違いを知らないまま参考書を読み始めると、暗記中心の勉強に偏ってしまいます。それが独学で失敗する典型的な流れです。

科目Aの参考書は、細かく覚え込もうとせず、まず最後まで読み切ってください。分からない用語があっても、印を付けて進めば大丈夫です。

一周読み終えてから戻ると、最初は難しかった章が読めるようになっています。知識は互いにつながっているので、後半を知ることで前半が理解できるのです。

段階3:科目Bは読むだけでは伸びない

ここが独学の山場になります。科目Bは、参考書を読んで理解した気になっても、本番で手が止まることが多い科目です。

理由は、読む力ではなく追う力が問われるからです。コードの意味を知っていることと、値の変化を最後まで追えることは別の能力になります。

だから段階3では、必ず紙かエディタに書きながら進めてください。目で追うだけの勉強は、この段階では効果が薄くなります。

科目Bという試験そのものの中身を先に把握しておくと、どこに力を入れるかの判断がしやすくなります。

【関連記事】基本情報技術者試験の科目Bとは?擬似言語・アルゴリズム対策を初心者向けに解説

段階4:過去問は答え合わせではなく確認に使う

仕上げの段階では、過去問や公開されている問題を解いていきます。ここで気をつけたいのが、正解の数だけを見て終わらないことです。

大事なのは、間違えた問題をなぜ間違えたかに分けることです。知識が足りなかったのか、コードを追う途中でずれたのかで、対策がまったく変わります。

前者なら参考書に戻れば済みます。後者なら、追い方そのものを練習し直す必要があります。

解き直しは、間違えた翌日にもう一度やってみてください。答えを覚えているうちに解くのではなく、手順を再現できるかを確かめる作業です。

このとき、正解した問題も一度は見返す価値があります。たまたま選択肢が絞れただけの問題は、次に形を変えて出されると落としてしまうからです。

過去問演習だけで合格できるのかが気になる人は、こちらの記事で科目別に整理しています。

【関連記事】基本情報は過去問道場だけで合格できる?科目Aと科目Bで変わる答え

独学最大の壁は擬似言語

独学の相談で一番多いのが、擬似言語が読めないという悩みです。プログラミング未経験の人にとっては、見慣れない記号が並んでいるだけに見えます。

ただ、覚えることの量はそれほど多くありません。文法そのものより、値の動きを追う作業に慣れていないことが原因です。

たとえば、次のような短いコードを見てください。配列の中から最大値を探す、科目Bでよく出る形です。

○整数型: saidai(整数型の配列: data)
  整数型: i, max
  max ← data[1]
  for (i を 2 から dataの要素数 まで 1 ずつ増やす)
    if (data[i] > max)
      max ← data[i]
    endif
  endfor
  return max

読んで意味は分かる、という人は多いと思います。それでも本番で間違えるのは、追う作業を省いてしまうからです。

そこで、dataに4、9、6が入っているとして、値の変化を表にしてみます。この一手間が独学の効率を大きく変えます。

処理の位置 i data[i] max
初期化の直後 4
1回目の繰返し 2 9 9
2回目の繰返し 3 6 9
繰返しの終了後 9

この表を自分の手で書けたなら、繰返しと条件分岐の読み方は身についています。書けなかった行があるなら、そこが今の弱点です。

実務でも、他人が書いたコードを読むときは同じことをします。頭の中だけで追うと必ずどこかで取り違えるので、私は今でも値をメモしながら読みます。

擬似言語だけは独学の型を変える

科目Aと同じやり方で擬似言語を勉強すると、たいていうまくいきません。読む量を増やしても、追う力は伸びないからです。

ここだけは、短いコードを何本も追う練習に切り替えてください。1本のコードを完全に追えたときの手応えが、そのまま得点力になります。

擬似言語に絞った独学の進め方は、専用の記事で詳しく扱っています。

【関連記事】擬似言語を独学で習得できる?初心者が基本情報科目Bで読めるようになる勉強法

行き詰まったときの抜け方を先に決めておく

独学を最後まで続けられるかどうかは、止まったときの対処を用意しているかで決まります。困ってから考えると、そのまま放置になりがちです。

つまずき方はある程度パターン化できます。あらかじめ対処を決めておきましょう。

つまずき方 起きていること 抜け方
参考書の説明が頭に入らない 説明の切り口が合っていない 別の教材や解説記事で読み直す
コードの途中で分からなくなる 値の追い方が身についていない 変数の値を表に書き出す
勉強が数日空いてしまった 予定が生活に合っていない 1日の量を半分に減らして再開する
何をやればいいか分からない 段階を見失っている 4段階のどこにいるか確認する

どの対処も、5分で始められることばかりです。悩む時間を短くすることが、独学では何より効きます。

そして、勉強が数日空いてしまっても自分を責めないでください。再開できれば、それまでの学習は消えていません。

再開する日は、新しい単元ではなく前に解けた問題から始めるのがおすすめです。解けたという感覚が戻ると、その勢いで次に進めます。

独学は、続けた日数がそのまま実力になります。1日15分でも開いた日は、開かなかった日とはっきり差が付きます。

動かせる教材を一つ持っておく

擬似言語のように追う力が要る分野は、実際に動く画面で確かめると理解が早くなります。自分の予想と実際の値を突き合わせられるからです。

読んで分からなかったコードでも、1行ずつ動く様子を見ると腑に落ちることがあります。独学の弱点である、聞ける相手がいない状態を埋めてくれます。

Giji Academyでは、擬似言語のコードを実際に動かしながら学べる擬似言語シミュレーターを無料で公開しています。追い方に自信がない段階で使うと、自分がどこで間違えたかがその場で分かります。

まとめ

基本情報技術者試験は、独学で合格できる試験です。教材はそろっていて、必要なものは自分で手に入ります。

ただし独学の弱点は、つまずいたときの解消とペースの管理にあります。この2つを仕組みで埋めておくことが条件でした。

進め方は4段階に分けると迷いません。試験の形をつかみ、科目Aを一周し、科目Bを手を動かして詰め、最後に過去問で仕上げます。

なかでも山場になるのは擬似言語です。読む勉強から、値を追う練習へ型を切り替えてください。

行き詰まったときの抜け方を先に決めておけば、独学でも止まりません。分からない時間を短くすることが、そのまま合格への近道になります。

一人で進めるのは心細いかもしれませんが、この試験は自分のペースで積み上げられる試験です。今日の1本のコードから、少しずつ進めていきましょう。

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