基本情報 科目Bの時間配分|1問にかけられる時間と見直しの順番

公開日: 2026-08-21

1問に時間をかけすぎて、最後の問題までたどり着けない。

模擬試験のあとで、残り時間だけを見て落ち込んだことはありませんか?

解けなかったのではなく、解く時間が残っていなかった。科目Bでいちばん多い負け方が、これです。

でも大丈夫です。時間配分は、当日の集中力ではなく、事前の決めごとで作れます。

私はエンジニアとして10年以上、Webシステムの開発や運用に携わってきました。障害対応でも、原因を追う時間をあらかじめ区切っておかないと、一つの仮説にのめり込んで復旧が遅れます。

試験も同じです。どこで切り上げるかを先に決めておいた人が、結果的にたくさん解けます。

この記事では、科目Bの100分をどう割り振るかを、具体的な数字と手順で説明していきます。

科目Bの時間配分は1問5分から考える

まず、前提になる数字を確認しておきましょう。ここを共有しないと配分の話ができません。

科目Bは、20問を100分で解く試験です。出題は、アルゴリズムとプログラミングが16問、情報セキュリティが4問という構成になっています。

採点は1000点満点で、600点以上が合格基準です。科目Aと科目Bのそれぞれで600点を取る必要があります。

なお、得点はIRTという方式で算出されるため、何問正解すれば何点という単純な換算にはなりません。だからこそ、解ける問題を確実に拾い切ることが効いてきます。

配点の考え方をもう少し詳しく知りたい人は、こちらの記事で整理しています。

【関連記事】基本情報科目Bの配点は1問何点?合格ラインと得点戦略を初心者向けに解説

100分を20問で割ると見えてくること

100分を20問で割ると、1問あたり5分です。この5分という数字が、すべての出発点になります。

ただし、5分には見直しの時間が含まれていません。全問を5分ずつ使い切ると、最後の1問を解き終えた瞬間に試験が終わります。

そこで、はじめから見直し用の時間を抜いて考えます。100分から15分を確保すると、残り85分で20問なので、1問あたりは4分強です。

この4分が、実際に一つの問題に向き合える時間になります。思っていたより短いと感じたのではないでしょうか。

なぜ平均どおりに解いてはいけないのか

ここで一つ、大事な注意があります。全問を4分ずつ均等に使う計画は、まず崩れます。

科目Bの問題は、難易度も分量も均一ではありません。1分で片づく問題もあれば、コードが長くて読むだけで3分かかる問題もあります。

平均で計画すると、簡単な問題で余った時間を、難しい問題で使い切ってしまいます。そして最後に残るのは、いちばん重い問題と、いちばん少ない時間という組み合わせです。

だから配分は、1問ごとではなくブロック単位で作ります。次の章で具体的に見ていきましょう。

100分を3つのブロックに分ける

私がおすすめしているのは、試験時間を3つに区切る方法です。時計を見る回数が減り、判断が楽になります。

区切り方は次のとおりです。あくまで目安なので、自分の解く速さに合わせて前後させてかまいません。

ブロック 時間 やること 終了時の目標
前半 開始〜40分 短い問題とセキュリティを片づける 10問前後を終える
中盤 40〜85分 擬似言語の重い問題に集中する 未回答をゼロにする
終盤 85〜100分 印を付けた問題の見直し 迷った問題を確定させる

この表の数字を、試験開始直後にメモ用紙の隅へ書いておきます。残り時間ではなく、経過時間で管理するほうがずれに気づきやすいからです。

順番に中身を説明します。

前半40分:軽い問題から確実に取る

前半でやることは、時間のかからない問題を拾い切ることです。問題番号の順に解く必要はありません。

まず全体をざっと見て、コードが短い問題と情報セキュリティの問題に印を付けます。この作業に使うのは2分程度で十分です。

情報セキュリティの4問は、擬似言語のトレースが要らない分だけ短時間で終わることが多い部分です。ここを先に確保しておくと、あとの精神的な余裕が変わります。

軽い問題を先に片づけると、前半の終わりには半分近くが終わっている状態になります。この状態を作れるかどうかが、後半の落ち着きを決めます。

セキュリティと擬似言語のどちらに力を入れるかで迷っている人は、こちらの記事も参考になります。

【関連記事】基本情報科目Bで擬似言語と情報セキュリティ、どちらから対策すべき?

中盤45分:重い問題に腰を据える

中盤は、残った擬似言語の問題を順番に処理していく時間です。ここがいちばん長く、いちばん疲れる区間になります。

意識してほしいのは、1問終わるごとに経過時間を確認することです。予定より遅れていたら、次の問題で少し急ぐ判断ができます。

逆に、遅れに気づかないまま進むと、残り10分で3問という状況が突然現れます。時計を見る習慣は、この不意打ちを防ぐためのものです。

中盤の終わりまでに、全問に何らかの答えを入れておきましょう。空欄のまま終わるより、絞り込んだうえで選んだほうが期待値は上がります。

終盤15分:確定作業に使う

終盤は、新しい問題を解く時間ではありません。すでに解いた問題の精度を上げる時間です。

ここで新しい難問に挑むと、時間だけ使って何も確定しないまま終わります。残り15分は、確実に得点へ変わる作業に振り向けてください。

見直しの具体的な順番は、後半の章で説明します。

1問あたりの撤退ラインを決めておく

時間配分でいちばん効くのが、この撤退ラインです。ここだけでも持ち帰ってほしい考え方になります。

撤退ラインとは、この時間を超えたら一度離れると決めておく上限のことです。目安は1問7分、遅くとも8分と考えてください。

7分を過ぎても答えが出ない問題は、そこから3分粘っても出ないことがほとんどです。理由は、たいてい読み間違いか、前提の取り違えが起きているからです。

一度離れて別の問題を解き、戻ってきたときに読み直すと、あっさり気づくことがあります。私も実務で、詰まったコードから離れて別の作業をしてから戻ると原因が見えた経験が何度もあります。

離れると決めたときは、必ず現時点で最も可能性の高い選択肢を選んでおきます。空欄で残すと、戻る時間がなかったときにゼロになってしまいます。

判断の基準を表にまとめました。試験中はこれくらい単純なほうが迷いません。

経過時間 状態 取る行動
〜4分 順調に読めている そのまま解き切る
4〜7分 詰まっているが方針は見える あと少しだけ粘る
7分超 方針が見えない 仮の答えを入れて印を付け次へ
戻ってきたとき 残り時間あり 最初の1行から読み直す

戻ってきたときに最初から読み直すのは、遠回りに見えて実は近道です。途中から読み直すと、間違えた前提をそのまま引き継いでしまいます。

擬似言語の1問を時間内に収める読み方

配分を決めても、1問の読み方が遅いままでは間に合いません。ここでは時間を短縮する読み方を、具体的なコードで見ていきます。

たとえば、次のような配列の中から指定した値を探す処理があったとします。科目Bでよく出る形の一つです。

○整数型: 位置を探す(整数型の配列: 表, 整数型: 目標)
  整数型: i
  for (i を 1 から 表の要素数 まで 1 ずつ増やす)
    if (表[i] = 目標)
      return i
    endif
  endfor
  return -1

このコードを頭から順に読むと時間がかかります。速く読む人は、先に戻り値を見ます。

戻り値はiか-1のどちらかです。つまりこの関数は、見つかった位置か、見つからなかったことを表す値を返すのだと、コードを読む前に分かります。

そのうえでループの中身を見ると、確認すべきことは一つだけになります。どういう条件でiが返るのか、という点です。

読む順番を決めておくと、同じコードでも理解にかかる時間が変わります。順番の作り方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

【関連記事】科目Bの擬似言語問題の解き方|コードを読む順番を例題で解説

トレースは全部書かない

時間を使いすぎる人に共通しているのが、トレース表を丁寧に書きすぎることです。全部の変数を全部の周回で書く必要はありません。

先ほどのコードで、表に4と9と2と7が入っていて、目標が2だとします。追うべきなのはiと比較結果だけです。

繰返し i 表[i] 表[i] = 目標 動き
1回目 1 4 次へ
2回目 2 9 次へ
3回目 3 2 3を返して終了

この3行を書くのに、30秒もかかりません。設問が聞いているのは戻り値なので、途中の値を全部書き出す必要がないのです。

何を書いて何を省くかの判断は、練習でしか身に付きません。書き方の基本を固めたい人は、こちらから確認してみてください。

【関連記事】擬似言語のトレース表の書き方|科目Bで変数の値を追う手順を解説

見直しはどの順番でやるか

終盤の15分をどう使うかで、最後の数十点が変わります。やみくもに最初から読み返すのは、いちばんもったいない使い方です。

見直しは、点になりやすい順に手を付けます。優先順位は次の3つです。

最優先は、撤退して仮の答えを入れた問題です。ここは正解を確定できる可能性が残っており、伸びしろがいちばん大きい部分になります。

次が、二択まで絞ったあとに何となく選んだ問題です。判断の根拠をもう一度確かめると、選び直せることがあります。

最後が、自信を持って解いた問題の確認です。ここは時間が余ったときだけでかまいません。

そして、見直しでやってはいけないこともあります。自信のある問題の答えを、根拠なく直感で変えることです。

変えるのは、読み違いを見つけたときだけにしてください。何となく不安だからという理由の変更は、正解を減らす方向に働きます。

見直しの時間が毎回足りないと感じている人は、読む速さそのものに課題があるかもしれません。

【関連記事】基本情報技術者試験の科目Bで時間が足りない人へ|擬似言語問題を速く読むコツ

本番までに配分を体に入れる

時間配分は、知識として知っているだけでは働きません。当日は緊張で判断が鈍るので、体が覚えている必要があります。

そのための練習方法を紹介します。特別な教材は要りません。

普段の演習でも、1問ごとにかかった時間を記録してください。記録するだけで、自分がどのタイプの問題に時間を使っているかが見えてきます。

そのうえで、週に一度は本番と同じ100分を通しで測ってみましょう。通しでやると、後半に集中力が落ちる時間帯が分かります。

科目B全体の学習をどう組み立てるかは、こちらの記事に順番でまとめています。

【関連記事】基本情報技術者試験 科目Bの勉強法|初心者が合格までにやることを順番に解説

速さは正確さのあとに付いてくる

最後に、順番の話をしておきます。速く解く練習より先に、正しく読む練習をしてください。

読み方が固まっていない状態で急ぐと、間違いが増えるだけです。同じ間違いを速く量産することになります。

コードを1行ずつ確実に追えるようになると、速さは自然に付いてきます。読む手順が決まっている人は、迷う時間が発生しないからです。

Giji Academy の擬似言語シミュレーターなら、自分のトレースが合っているかを1行ずつ動かして確かめられます。ずれた場所が、そのまま時間を失っている場所です。

本番で焦ってしまう自覚がある人は、こちらの記事も読んでおくと当日の助けになります。

【関連記事】擬似言語問題で焦る人への対策方法!|試験本番で頭が真っ白にならないためにどうすれば!?

科目Bという試験の全体像をもう一度つかみ直したいときは、親記事にあたるこちらから確認してみてください。

【関連記事】基本情報技術者試験の科目Bとは?擬似言語・アルゴリズム対策を初心者向けに解説

まとめ

最後に、この記事の内容を振り返ります。

科目Bは20問を100分で解く試験です。見直しの15分を先に抜くと、1問に使えるのはおよそ4分になります。

その4分を守るために、時間を前半40分、中盤45分、終盤15分の3つに区切ります。前半で軽い問題を拾い、中盤で重い問題に集中し、終盤は確定作業に使う流れです。

そして、1問7分の撤退ラインを決めておきます。詰まった問題は仮の答えを入れて離れ、あとで最初から読み直すほうが速く解けます。

見直しは、撤退した問題、二択で迷った問題、自信のある問題の順です。根拠のない答えの変更はしないでください。

時間配分は才能ではなく、決めごとと練習で身に付く技術です。次の演習から、1問ごとの時間を記録するところを始めてみましょう。

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