基本情報技術者試験の2027年度変更はどうなる?科目Bの勉強は続けてよいか

公開日: 2026-10-22

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基本情報が2027年度から新しい試験になるらしい。いま勉強していることは、無駄になってしまうのだろうか。

そんな不安を抱えたまま、参考書を開いていませんか?

先に結論をお伝えします。2026年10月22日時点で確認できたIPAの公開情報では、基本情報技術者試験は2027年度から始まる新試験制度でも続く予定です。試験がなくなるわけではありません。

一方で、新しい制度の中身は、まだ案の段階です。IPAはシラバス案を順に公開していて、内容は変わる可能性があると明記しています。

私はエンジニアとして10年以上、Webシステムの開発や運用に携わってきました。仕様書の案が出てから正式版になるまでに、項目の名前や並び順が変わるのは、実務ではごく普通のことです。

だからこそ、案を読むときは、確定していることと、まだ動く可能性があることを分けて考えるのが大切です。この記事では、その線引きをしたうえで、いまの勉強をどう進めればよいかをお伝えします。

試験の全体像をまだつかめていない人は、先に親記事に目を通しておくと話が早くなります。

【関連記事】基本情報技術者試験とは?試験内容・難易度・勉強法を初心者向けに解説

基本情報技術者試験の2027年度の変更で発表されていること

まずは、IPAが何を公表しているのかを押さえておきましょう。まとめサイトの見出しだけを読むと、話が大きく見えがちです。

IPAは2026年3月31日に、情報処理技術者試験の試験区分などを見直す案を公表しました。そのうえで、2027年度から新しい試験制度を始める予定としています。

基本情報技術者試験は、その見直しの中でも残る試験区分です。新しい制度でも、デジタル技術を使ったサービスやシステムを実装・運用するための、基礎的な知識と技能を確かめる試験と位置づけられています。

ここまでで確認できた内容を、表にまとめておきます。

項目 2026年10月22日時点で確認できた内容
新試験制度の開始 2027年度から開始する予定
基本情報技術者試験 新制度でも継続する予定
開始時期の目安 2027年度春頃(ITパスポート・情報セキュリティマネジメントと同じ)
変更の方向 科目Aの出題範囲の体系の変更と、科目Bの出題範囲の一部変更
科目Aの免除制度 変更を予定していない
シラバス案 基本情報技術者試験のシラバス案 Ver.0.1 を2026年9月30日に掲載
内容の確定度 案の段階。IPAは変更の可能性があるとしている

表のうち、いちばん大事なのは最後の行です。ここに書いた内容は、どれも正式に決まったものではありません。

シラバス案は、まだ Ver.0.1 という段階

シラバスとは、試験で問われる知識や技能の幅と深さを、体系的に整理した資料のことです。出題範囲を知るための、いちばん基本になる資料だと考えてください。

今回公開されたのは、その案の Ver.0.1 です。バージョン番号が1に届いていないことからも、これから手が入っていく前提の資料だと読み取れます。

IPAは、準備ができたものから順にシラバス案を掲載していくとしています。今後、内容が書き換わったり、新しい版が出たりすることは十分に考えられます。

この記事では、シラバス案のPDFに書かれた個々の項目の変更点には踏み込みません。項目の細部は、自分の目で公式のPDFを読むのがいちばん確実です。

新しい試験区分の名前は、いずれも仮称

見直し案の資料には、新しく作られる試験区分の名前も出てきます。ただし、それらはいずれも仮称だと断られています。

名前だけが一人歩きして、別の試験に変わってしまうのでは、と心配する声もあるかもしれません。ですが、基本情報技術者試験そのものは、いまの名前のまま残る区分として扱われています。

まだ決まっていないこと、待つしかないこと

次に、まだ分からないことを整理しておきましょう。分からないことを分からないまま置いておけるのも、案を読むときの大切な姿勢です。

2026年10月22日時点で、私が公式の情報から確かめきれなかった点は次のとおりです。

まだ確定していないこと いまの扱い
新制度の初回の具体的な試験日 2027年度春頃という目安のみ。正式な日程は発表を待つ
シラバスの正式版 案の段階。今後の改訂で項目が変わる可能性がある
科目Bの出題範囲の細部 一部変更の方向は示されているが、細かな項目は案のPDFで確かめる
問題の数や時間などの数値 この記事では書かない。正式な試験要綱を待つ
新制度向けのサンプル問題 公開の状況は、IPAのページで直接確かめる

数値の行をあえて空けているのは、案の数字を確定したかのように書きたくないからです。試験の時間や問題数は、受験の計画に直結します。

インターネット上には、新制度の試験時間や配点について断定した記事も見かけます。ですが、正式な試験要綱が出るまでは、どれも案か推測だと受け取っておきましょう。

2026年12月28日からの休止とは分けて考える

もう一つ、混同しやすい話があります。CBT方式の試験が、2026年12月28日以降に休止する予定だという発表です。

こちらは、試験を運営するCBTシステムの切り替えが理由とされています。出題範囲の見直しとは、別の話として発表されています。

休止明けの再開時期と、新制度の開始時期がどう関係するのかは、まだはっきりしていません。休止の発表とタイプ別の判断材料は、別の記事でくわしく整理しています。

【関連記事】基本情報技術者試験は2026年12月28日から休止|年内に受けるか待つかの判断

科目Bの勉強は続けてよいのか

ここからが本題です。いま擬似言語や科目Bの勉強をしている人は、このまま続けてよいのでしょうか。

私の答えは、続けて大丈夫です。理由は、科目Bで問われている力の中心が、制度が変わっても使い続ける力だからです。

公表された見直しの方向は、科目Bについては出題範囲の一部変更です。科目Bの出題範囲の案にも、プログラミング全般に関する項目が引き続き並んでいます。

つまり、科目Bがまるごと別物になる、という話ではありません。少なくとも案を読む限りでは、プログラムを読んで動きを追う力は、新制度でも問われ続けると考えるのが自然です。

コードを読む力は、制度の外でも使い続ける

実務の話を少しさせてください。私が新しい現場に入ったとき、最初にやるのは、たいてい他人が書いたコードを読むことでした。

言語や仕組みが違っても、変数の値がどう変わっていくかを順に追う作業は同じです。科目Bの擬似言語で鍛えるのは、まさにこの作業です。

試しに、科目Bでよく見かける形の短いコードを読んでみましょう。配列の中から、ある値以上の要素がいくつあるかを数える処理です。

○整数型: 基準以上の数(整数型の配列: data, 整数型: 基準)
  整数型: count ← 0
  整数型: i
  for (i を 1 から dataの要素数 まで 1 ずつ増やす)
    if (data[i] ≧ 基準)
      count ← count + 1
    endif
  endfor
  return count

data が {3, 8, 5, 10} で、基準が 5 のときを考えます。1行ずつ値を追うと、次のようになります。

i data[i] data[i] ≧ 5 count
1 3 false 0
2 8 true 1
3 5 true 2
4 10 true 3

戻り値は 3 です。3行目の 5 は、≧ なので数に入ることに気をつけてください。

ここで ≧ を > に変えると、結果は 2 になります。境界の値をどちらに含めるかで答えが変わる、というのは、科目Bでも実務でも何度も出会う落とし穴です。

こうしたコードの読み方は、試験の制度がどう変わっても、そのまま通用します。変数を表にして追う手順は、こちらの記事でくわしく解説しています。

【関連記事】擬似言語のトレース表の書き方|科目Bで変数の値を追う手順を解説

変わる可能性があるのは、出題の範囲の端のほう

では、何が変わる可能性があるのでしょうか。案の段階で示されているのは、科目Bの出題範囲の一部変更です。

範囲の一部が変わるとき、追加されたり入れ替わったりするのは、たいてい範囲の端のほうです。プログラムの基本的な読み方のような土台が、まるごと外れることは考えにくいでしょう。

もちろん、これは私の読み方であって、公式の見解ではありません。正式なシラバスが出たら、どの項目が増え、どの項目が減ったのかを、自分の目で確かめておくと安心です。

タイプ別|いま何をすればよいか

ここまでの話を、受験の状況ごとに整理してみます。同じ発表でも、いまどの段階にいるかで、やるべきことは変わります。

あなたの状況 おすすめの動き方 気をつける点
2026年12月27日までに受ける予定 いまの制度の試験として、これまでどおり仕上げる 新制度の案に気を取られて、範囲を広げすぎない
勉強中で、受験時期を決めていない 科目Bの読む力を中心に、勉強を続ける 再開の時期や新制度の日程は、発表を待ってから決める
これから勉強を始める 擬似言語とアルゴリズムの基礎から固める 新制度の正式なシラバスが出たら、範囲の差を確かめる
科目Aの免除制度を使う予定 免除の条件を、公式の案内で確かめておく 免除制度は変更を予定していないとされるが、案の段階

迷っている人の多くは、表の2行目に当てはまるのではないでしょうか。勉強は止めずに、日程の判断だけを発表待ちにしておく、という形がいちばん無理がありません。

年内に受ける人は、いまの範囲に集中する

2026年12月27日までに受けると決めている人は、新しい制度の話はいったん脇に置いてください。年内の試験は、いまの制度のもとで行われます。

新しい範囲の勉強まで手を広げると、本番で問われる内容の準備が薄くなりかねません。残りの期間で科目Bをどう仕上げるかは、勉強法の記事で順番に整理しています。

【関連記事】基本情報技術者試験 科目Bの勉強法|初心者が合格までにやることを順番に解説

2027年度以降に受ける人は、読む力を先に育てる

2027年度以降の受験を考えている人は、時間を味方につけられます。焦らなくて大丈夫です。

用語の暗記は、正式なシラバスが出てからでも間に合います。ですが、コードを読む力は、一朝一夕では身につきません。

正式な範囲が固まるのを待つあいだに、時間のかかる科目Bの土台を先に作っておきましょう。科目Bでどのような力が問われるのかは、こちらの記事が入口になります。

【関連記事】基本情報技術者試験の科目Bとは?擬似言語・アルゴリズム対策を初心者向けに解説

Giji Academy の擬似言語シミュレーターでは、さきほどのようなコードをその場で動かして、変数の値が1行ずつどう変わるかを確かめられます。制度の発表を待つあいだの練習にも使ってみてください。

情報の追いかけ方と、確かめる順番

最後に、これからの発表をどう追いかければよいかをお伝えします。制度の変わり目は、情報が多くなり、古い記事も混ざりやすい時期です。

確かめる順番を決めておくと、余計な不安に振り回されずに済みます。

順番 確かめるもの 見るポイント
1 IPAの新試験制度のシラバス案のページ 掲載日と、バージョン番号が上がっていないか
2 IPAの見直しの検討状況のページ 開始時期や、制度全体の方針が変わっていないか
3 IPAの試験の実施予定のページ 休止明けの日程や、申し込みの開始時期
4 まとめサイトやSNSの投稿 必ず日付を見て、公式の情報と食い違いがないか

4番目の情報は、早くて便利な反面、案と確定が混ざって書かれていることがあります。気になる内容を見つけたら、必ず1番から3番の公式のページに戻って確かめてください。

実務でも、仕様が変わるときは、いちばん新しい版の原本を確かめるのが鉄則です。古い版のメモをもとに作業して、手戻りになった経験は、私にも一度や二度ではありません。

まとめ

ここまでの内容を振り返ります。

2026年10月22日時点のIPAの公開情報では、基本情報技術者試験は2027年度からの新試験制度でも続く予定です。開始は2027年度春頃が目安とされ、科目Aの出題範囲の体系と、科目Bの出題範囲の一部が変わる方向です。

ただし、シラバス案はまだ Ver.0.1 の段階で、IPAも変更の可能性があるとしています。試験日や数値などの細部は、正式な発表を待ちましょう。

科目Bの勉強は、続けて大丈夫です。コードを読んで値を追う力は、制度が変わっても、そして試験の外でも使い続ける力です。

年内に受ける人は、いまの範囲に集中してください。2027年度以降に受ける人は、時間のかかる科目Bの土台から、一歩ずつ育てていきましょう。

制度は変わっても、積み重ねた読む力はなくなりません。安心して、今日の一問に向き合っていきましょう。

参考情報

この記事は、2026年10月22日時点で確認できた次の公式情報をもとに書いています。シラバス案は変更される可能性があるので、最新の内容は必ず公式ページで確かめてください。

ページ URL
IPA:新試験制度のシラバス案について https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/henkou/2026/20260630.html
IPA:情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/henkou/2025/20260331.html
IPA:プレス発表 情報処理技術者試験における試験区分体系などの見直し(案)について https://www.ipa.go.jp/pressrelease/2025/press20260331.html
IPA:CBT方式で実施する試験における2026年5月以降の試験実施について https://www.ipa.go.jp/shiken/2026/cbt-202605-jisshi.html

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