前回は、スイッチを使って同じLANのPCやサーバが通信できることを確認しました。
では、192.168.1.0/24 のネットワークから、192.168.2.0/24 のネットワークへ通信したい場合はどうでしょうか。
別のネットワーク同士をつなぐときに使われるのがルーターです。
ルーターは、異なるネットワーク同士をつなぎ、通信を次のネットワークへ送る機器です。
今回の構成では、
PC1
192.168.1.11
│
Router1
│
Server2
192.168.2.100
のように、PC1とServer2の間にRouter1があります。
PC1とServer2は別のネットワークにいますが、ルーターが間にあることで通信できるようになっています。
PCには、IPアドレスやサブネットマスクのほかにデフォルトゲートウェイという設定があります。
自分と同じネットワークの相手なら、そのまま通信できます。
一方、別のネットワークへ行く場合は、途中のルーターへ通信を渡す必要があります。
そのとき、PCが「別ネットワークへ行くなら、まずここへ渡す」と使う宛先がデフォルトゲートウェイです。
右のシミュレーターで PC1 をダブルクリックし、開いた画面の上にある コマンドプロンプト タブを選びます。
ipconfig
実行すると、次のように表示されます。
Windows IP 構成
イーサネット アダプター FastEthernet0:
IPv4 アドレス . . . . . . . . . : 192.168.1.11
サブネット マスク . . . . . . . : 255.255.255.0
デフォルト ゲートウェイ . . . . : 192.168.1.254
前の講座までと違い、「デフォルト ゲートウェイ」に値が入っています。
192.168.1.254 は、PC1側につながっているRouter1のIPアドレスです。
設定そのものを覚えるより、別ネットワークへの出口としてルーターが指定されているところを確認してください。
PC1からServer2へ送ります。同じ画面のままで構いません。
同じ画面で、続けて次を実行します。
ping 192.168.2.100
実行すると、次のように表示されます。
192.168.2.100 に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
192.168.2.100 からの応答: バイト数 =32 時間 =8ms TTL=127
192.168.2.100 からの応答: バイト数 =32 時間 =4ms TTL=127
192.168.2.100 からの応答: バイト数 =32 時間 =4ms TTL=127
192.168.2.100 からの応答: バイト数 =32 時間 =4ms TTL=127
192.168.2.100 の ping 統計:
パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)
PC1は 192.168.1.x、Server2は 192.168.2.x なので別ネットワークです。それでも応答が返りました。
うまく届かないときのために、途中まで届いているかを確かめる方法も見ておきます。
同じ画面で、続けて次を実行します。
ping 192.168.1.254
実行すると、次のように表示されます。
192.168.1.254 に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
192.168.1.254 からの応答: バイト数 =32 時間 =8ms TTL=255
192.168.1.254 からの応答: バイト数 =32 時間 =4ms TTL=255
192.168.1.254 からの応答: バイト数 =32 時間 =4ms TTL=255
192.168.1.254 からの応答: バイト数 =32 時間 =4ms TTL=255
192.168.1.254 の ping 統計:
パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)
これはルーター自身への通信です。ここが返るなら、PCから出口までは問題ありません。 そのうえで相手に届かないなら、原因はルーターの向こう側にあります。
うまくいかないときは「自分の設定 → 出口 → 相手」の順に確かめる、と覚えておくと迷いません。
前の講座では別ネットワークへ届きませんでした。今回は間にルーターがあるため、通信できています。違いは、ルーターがあるかどうかだけです。
ここでもう一つ、通信がどこを通っているかを確認してみます。tracert は、宛先までに経由した機器を順番に表示するコマンドです。
同じ画面で、続けて次を実行します。
tracert 192.168.2.100
実行すると、次のように表示されます。
192.168.2.100 へのルートをトレースしています(最大 15 ホップ):
1 40 ms 192.168.1.254
2 6 ms 192.168.2.100
トレースを完了しました。
2行出ました。順番に読みます。
| 行 | アドレス | 何か |
|---|---|---|
| 1 | 192.168.1.254 |
Router1(PC1側の足) |
| 2 | 192.168.2.100 |
Server2(目的地) |
PC1からいきなりServer2へ届いているのではなく、途中でRouter1を通っていることが分かります。ping では「届いたかどうか」しか分かりませんが、tracert なら通り道まで見えます。
この「どこを通っているか」という考え方は、科目Bのセキュリティ問題でとても重要です。
たとえば、
これまで社内のファイアウォールを通っていた通信が、変更後は通らなくなった
という問題では、通信経路を追えないと何が変わったのか判断できません。
tracert を使うと、宛先までにどの機器を経由しているか確認できる次は、有線ケーブルではなくWi-Fiで端末をLANにつなぐ無線LANアクセスポイントを学びます。