ここまでは、PCやサーバをケーブルでネットワークにつないできました。
一方、普段使っているスマートフォンやノートPCは、Wi-Fiでネットワークへつなぐことが多いと思います。
そのWi-Fi接続で中心になる機器が無線LANアクセスポイント(AP)です。
無線LANアクセスポイントは、Wi-Fiで接続する端末をLANにつなぐための機器です。
ノートPCやスマートフォンは、Wi-FiでAPへ接続します。APは有線側でスイッチなどにつながっています。
つまり、Wi-Fiを使っている端末も、APを通して会社のLANへ参加しています。
家庭では「Wi-Fiルーター」という1台の機器を置くことが多いと思います。
家庭用のWi-Fiルーターには、
など複数の機能がまとめられていることがあります。
そのため普段は意識しにくいのですが、役割で分けると、
という違いがあります。
会社では、ルーターと無線LAN APが別々の機器として設置されることもあります。
スマートフォンのWi-Fi設定を開くと、
Office-WiFi
Guest-WiFi
Home-WiFi
のような名前が表示されます。
このWi-Fiネットワークの名前をSSIDといいます。
SSIDは、利用者が「どのWi-Fiへ接続するか」を見分けるために使われます。
基本情報技術者試験でも無線LANに関する説明の中で出てくることがあります。まずは、SSID=Wi-Fiの接続先を見分ける名前と理解しておけば大丈夫です。
無線LANになると、ここまで学んだIPアドレスやルーターの話が不要になるわけではありません。
接続方法がケーブルからWi-Fiに変わっても、ネットワーク上ではIPアドレスを使って通信します。
ノートPC
↓ Wi-Fi
無線LAN AP
↓
スイッチ
↓
ルーター / サーバ
このように、Wi-Fiはネットワークへ入る方法の一つです。
構成はこうなっています。
| 機器 | IPアドレス | つながり方 |
|---|---|---|
| NotePC | 192.168.1.31 |
AP1 経由(Wi-Fi) |
| PC1 | 192.168.1.11 |
Switch1 に有線 |
| Server1 | 192.168.1.100 |
Switch1 に有線 |
AP1 にはIPアドレスがありません。 通信の相手になる機器ではなく、通り道だからです。スイッチと同じ立場です。
まず、Wi-Fiでつながっている NotePC から、有線の PC1 へ送ります。
右のシミュレーターで NotePC をダブルクリックし、開いた画面の上にある コマンドプロンプト タブを選びます。
ping 192.168.1.11
実行すると、次のように表示されます。
192.168.1.11 に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
192.168.1.11 からの応答: バイト数 =32 時間 =8ms TTL=128
192.168.1.11 からの応答: バイト数 =32 時間 =4ms TTL=128
192.168.1.11 からの応答: バイト数 =32 時間 =4ms TTL=128
192.168.1.11 からの応答: バイト数 =32 時間 =4ms TTL=128
192.168.1.11 の ping 統計:
パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)
届きました。 片方はWi-Fi、もう片方は有線ですが、関係なく通信できています。
続いて、Server1 へも送ります。
同じ画面で、続けて次を実行します。
ping 192.168.1.100
実行すると、次のように表示されます。
192.168.1.100 に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
192.168.1.100 からの応答: バイト数 =32 時間 =8ms TTL=128
192.168.1.100 からの応答: バイト数 =32 時間 =4ms TTL=128
192.168.1.100 からの応答: バイト数 =32 時間 =4ms TTL=128
192.168.1.100 からの応答: バイト数 =32 時間 =4ms TTL=128
192.168.1.100 の ping 統計:
パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)
こちらも届きます。
NotePC のIPアドレスをもう一度見てください。192.168.1.31 です。PC1やServer1と同じ 192.168.1 から始まっています。
つまり、APを通ってつながった端末は、有線でつながった機器と同じネットワークの一員になります。Wi-Fiだから別扱い、ということはありません。
これはセキュリティを考えるうえで大事な性質です。社内のWi-Fiにつながった端末は、有線のPCと同じように社内の機器へ手が届きます。
もしそのWi-Fiに社外の人がつなげてしまったら、その人も同じ場所に立つことになります。だから会社では、Wi-Fiに接続できる人を限る必要があるわけです。
このあと、Webシステムを学ぶとAPサーバという言葉が出てきます。
同じ「AP」という略し方をすることがありますが、意味はまったく違います。
試験問題でも混同しないようにしておきましょう。
次は、ネットワークの境界で通信を通したり止めたりするファイアウォールを学びます。