基本情報の合格点は何割?科目A・科目Bの基準と得点計画を解説

公開日: 2026-09-08

結局、何割取れば受かるんだろう。

過去問を解きながら、点数の目安が分からずもやもやしていませんか?

合格点が分からないままだと、いまの自分が届いているのかどうかも判断できません。勉強の手応えがつかめないのは、けっこうつらいものです。

先に答えをお伝えすると、基準ははっきり公表されています。ただし、その数字をそのまま正答率だと思い込むと危険です。

私はエンジニアとして10年以上、Webシステムの開発や運用に携わってきました。資格の勉強を見てきて感じるのは、点数の仕組みを誤解したまま走り出す人が意外と多いということです。

模試で6割取れたから大丈夫だと安心して、本番で足りなかった。そういう話を何度か聞きました。

この記事では、合格点の正確な基準と、そこから逆算した得点計画の立て方をお伝えします。試験の全体像から確かめたい人は、先に親記事を読んでおくと話がつながりやすくなります。

【関連記事】基本情報技術者試験とは?試験内容・難易度・勉強法を初心者向けに解説

結論:科目A・科目Bとも1,000点満点で600点以上

基本情報技術者試験の合格基準は、IPAが公開しています。2026年9月時点では、次のとおりです。

科目A試験と科目B試験のそれぞれで、評価点が1,000点満点中600点以上であることが条件になります。

試験の形と合わせて整理しておきましょう。

項目 科目A 科目B
試験時間 90分 100分
出題数 60問 20問
満点 1,000点 1,000点
基準点 600点 600点

出典はIPAが公開している基本情報技術者試験の試験情報です。制度は変わることがあるので、受験前に必ず最新の案内を確認してください。

両方が600点を超えないと合格にならない

ここが最初の落とし穴です。科目Aで900点取っても、科目Bが590点なら不合格になります。

合計点で判定される試験ではありません。2つの科目それぞれが独立した関門になっています。

得意な科目で稼いで苦手をカバーする、という作戦が使えないわけです。この設計を知らないまま科目Aばかり勉強してしまう人は、実際にかなりいます。

何割という言い方が誤解を生みやすい

600点は満点の6割です。だから「6割取れば受かる」と説明されることがあります。

数字としては間違っていませんが、これを正答率6割と同じ意味に受け取ると話がずれてしまいます。

理由は次の章でお伝えします。ここでは、6割は評価点の話であって、何問正解したかの話ではない、とだけ覚えておいてください。

なぜ正答率で言い切れないのか

基本情報技術者試験の採点は、単純な素点の足し算ではありません。IRT(項目応答理論)という方式で評価点が算出されます。

IRTは、解答の結果から受験者の能力を推定する考え方です。同じ正答数でも、どの問題に正解したかで評価点が変わり得ます。

この方式が使われている背景には、通年試験という事情があります。受験日によって問題が違うため、素点のままでは公平に比べられません。

1問ごとの配点は公表されていない

IRT方式なので、1問あたり何点という配点表は出ていません。つまり、この問題を落としたから何点マイナス、という計算は誰にもできません。

自己採点で正確な評価点を出すことは不可能だと考えてください。過去問演習で分かるのは正答率であって、評価点ではありません。

科目Bの配点をもう少し詳しく知りたい人向けの記事もあります。

【関連記事】基本情報科目Bの配点は1問何点?合格ラインと得点戦略を初心者向けに解説

演習では7割を目標にしておくと安心できる

評価点が読めない以上、演習では余裕を持たせるのが現実的です。私が周りに伝えているのも、正答率で7割を安定させておこう、という目安です。

6割ちょうどを狙うと、本番の緊張や見慣れない問題で簡単に割り込みます。1割の余白は保険だと思ってください。

もちろん7割はIPAが定めた数字ではありません。あくまで、基準点に安全に届くための演習上の目標です。

基準点は受験日によって上下しない

回によって合格ラインが変わるのではないか、と心配する人がいます。ここは安心してください。

600点という基準点そのものは、受験日ごとに動くものとして示されてはいません。IRTが吸収しているのは、問題の難しさの違いのほうです。

難しい回に当たったから不利になる、という心配をする必要はありません。やるべきことは、どの回でも変わらないと考えて大丈夫です。

なお制度そのものが改定されることはあり得ます。受験を決めたら、申し込みの前に最新の案内へ目を通しておきましょう。

科目Aと科目Bでは得点計画の作り方が違う

同じ600点でも、そこへ届くまでの道のりは科目ごとにまったく違います。出題数が3倍違うからです。

科目Aは60問あるので、1問の重みが相対的に小さくなります。知らない用語が数問出ても、全体で立て直せます。

一方の科目Bは20問しかありません。1問の取りこぼしが響きやすい構造です。

観点 科目A 科目B
1問の重み 軽い 重い
1問にかけられる時間 短い 長い
点が伸びる勉強 用語と過去問の反復 擬似言語を読む練習
崩れる原因 範囲の広さ 1問で時間を使い切る

表のとおり、科目Bは時間の使い方そのものが得点に直結します。ここが基本情報の山場です。

科目Aは反復で読める点を積む

科目Aは出題範囲が広い代わりに、過去問と同じ考え方で解ける問題が多く含まれます。反復した量がそのまま点になります。

計画としては、演習の正答率を先に7割へ乗せてしまうのが早道です。そのあとは維持に切り替えて、時間を科目Bへ回します。

ここで注意したいのは、科目Aの仕上げに時間をかけすぎないことです。9割を目指す勉強は、費やす時間のわりに合否へ効きません。

基準点は600点であって、満点ではありません。余った時間は科目Bへ回したほうが、合格までの距離は確実に縮まります。

過去問の回し方に迷っている人は、こちらの記事が参考になります。

【関連記事】基本情報の過去問は何年分・何割解けばいい?周回のしかたを解説

科目Bは1問の中身が重い

科目Bは擬似言語のコードを読む問題が中心です。20問しかないのに、1問ずつ読解が必要になります。

たとえば、次のような短いコードでも、値の動きを追わないと答えが出ません。

○合計を求める(整数型の配列: data)
  整数型: i, sum
  sum ← 0
  for (i を 1 から data の要素数 まで 1 ずつ増やす)
    if (data[i] > 0)
      sum ← sum + data[i]
    endif
  endfor
  return sum

正の数だけを足していますが、条件を読み飛ばすと全部足した値を選んでしまいます。この読み違いが、科目Bで点を落とす典型です。

つまり科目Bの得点計画は、時間配分と読み方の練習にかかっています。暗記では届きません。

私が新人のコードレビューをしていて感じるのも同じことです。条件の書き間違いは、知識ではなく読み方の丁寧さで防がれています。

科目Bで基準点に届く人は、例外なくこの読む作業を淡々とこなせる人でした。逆に言えば、そこは訓練で身につく部分です。

【関連記事】基本情報技術者試験の科目Bとは?擬似言語・アルゴリズム対策を初心者向けに解説

演習の点数を合格点とどう比べるか

評価点は自分で計算できません。では、過去問の点数をどう受け止めればいいのでしょうか。

考え方はシンプルです。評価点に換算しようとせず、正答率をそのまま自分の現在地として扱います。

判断の目安を表にしました。あくまで演習上の目安であって、合否を予測するものではありません。

演習での正答率 受け止め方 次にやること
5割未満 基礎の理解が足りていない 参考書に戻って範囲を埋める
5割〜6割 危ない位置にいる 間違えた問題の原因を分類する
7割前後 現実的な合格圏 維持しつつ苦手な型を潰す
8割以上 余裕がある 本番形式で時間を計って通す

大切なのは、点数そのものより間違え方の中身です。知らなかったのか、読み違えたのか、時間が足りなかったのか。

この3つは対策がまったく違います。同じ1問の失点でも、必要な手当ては別物になります。

同じ点数でも、中身が違えば残りの課題は違う

たとえば6割の人が2人いたとします。片方は知識不足、もう片方は時間切れかもしれません。

前者は演習量を増やせば伸びますが、後者は解く順番を変えるだけで改善することがあります。点数を見て終わりにせず、内訳まで書き出してみてください。

実務でも同じ考え方をします。不具合の件数だけを見ても改善はできず、原因ごとに分けて初めて手が打てます。

本番の形式で1度は通しておく

問題ごとに正答率を測るのと、時間を計って通すのはまったく別の練習です。基準点に届く力があっても、時間切れなら点になりません。

試験が近づいたら、科目Bは必ず一度、本番と同じ時間で通してみてください。そこで初めて自分の速度が分かります。

合格点に届かない人がやりがちなこと

点が伸びない原因は、才能でも勉強時間でもないことがほとんどです。計画の作り方が原因になっている場合が多いと感じます。

よくある3つを整理しました。心当たりがないか確かめてみてください。

やりがちなこと 何が起きるか 直し方
合計点で考えてしまう 科目Bだけ基準に届かない 科目ごとに600点を独立して狙う
目標を6割ちょうどに置く 本番で少し崩れて割り込む 演習では7割を目標にする
科目Aの演習だけで安心する 擬似言語の練習量が足りない 週の学習時間の半分を科目Bへ回す

3つ目が最も多いパターンです。科目Aは点数が目に見えて伸びるので、つい楽しくなってしまいます。

けれど不合格になる人の多くは、科目Bで止まっています。原因の切り分け方をまとめた記事も用意してあります。

【関連記事】基本情報に受からない原因は?科目別に立て直す手順を解説

合格点から逆算した勉強の順番

最後に、600点という基準点から逆算した進め方をお伝えします。難しいことはしません。

まず科目Aの演習で正答率7割を作ります。ここは反復で必ず届く場所なので、先に片づけてしまうのが精神的にも楽です。

次に科目Bへ移り、擬似言語のコードを1行ずつ追う練習を積みます。ここが本当の勝負どころになります。

科目Bは型ごとに1本ずつ潰していく

科目Bの問題は、配列、繰返し、探索、整列といった型に分かれます。まとめて対策しようとせず、1つずつ解き方を固めるほうが確実です。

たとえば整列の問題なら、値が入れ替わる場所だけを表に書き出す方法があります。型ごとの解き方は個別の記事にまとめてあります。

【関連記事】科目Bのソート問題を解くコツ|交換される値を追ってみよう

読むだけで終わらせず、実際に動かす

擬似言語は、目で追うだけだと理解した気になりやすい分野です。手か画面で動かすと、理解の穴がはっきりします。

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まとめ

合格点の話は、数字を覚えるだけでは意味がありません。そこから何をするかが決まって、はじめて役に立ちます。

今日の内容を振り返っておきましょう。

押さえること 内容
基準点 科目A・科目Bとも1,000点満点で600点以上
判定の仕方 両方が基準を超えて合格。合計点ではない
採点方式 IRTによる評価点。1問の配点は非公表
演習の目標 正答率7割を目安に余白を作る
力の入れどころ 1問が重い科目Bを厚めに

基準は6割ですが、狙うのは7割です。この1割の差が、本番での安心につながります。

数字を知ると不安が減るのは、やるべき量がはっきりするからです。届かない距離ではないと分かれば、手が動き出します。

そして残る課題は、たいてい科目Bの擬似言語に集約されます。ここを越えられれば、合格はぐっと近づきますし、勉強そのものも面白くなってきます。

数字が分かったいまなら、あとどれくらい積めばいいかも見えているはずです。今日から1問ずつ、着実に進めていきましょう。

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