基本情報のサブネットマスク計算|IPアドレスの範囲と使用可能台数の求め方

公開日: 2026-11-06

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「/27」と書かれた瞬間に手が止まる。サブネットの問題だけは、毎回あてずっぽうで選んでいる。

IPアドレスの範囲や台数を聞かれて、どこから計算すればよいのか迷ったことはありませんか?

先に答えをお伝えします。サブネットマスクの計算は、ホスト部が何ビットあるかを数えれば解けます。

ホスト部が n ビットなら、アドレスの数は 2 の n 乗です。そのうち先頭がネットワークアドレス、末尾がブロードキャストアドレスなので、パソコンなどに割り当てられる台数は 2 の n 乗から 2 を引いた数になります。

この記事では、IPアドレスの仕組みから始めて、CIDR表記の読み方、範囲の求め方、使用可能台数の計算までを順に説明します。例題はすべてこの記事のために作ったもので、途中の式も省かずに書きます。

IPアドレスとサブネットマスクの基本

IPアドレスとは、ネットワークにつながった機器を区別するための番号です。基本情報で扱うIPv4のアドレスは32ビットで、8ビットずつ4つに区切り、「192.168.1.10」のように10進数で書きます。

ネットワーク部とホスト部

32ビットのアドレスは、前半と後半で役割が分かれています。前半はどのネットワークかを表すネットワーク部、後半はそのネットワークの中のどの機器かを表すホスト部です。

住所にたとえると分かりやすくなります。ネットワーク部は「〇〇町3丁目」のような地区の名前で、ホスト部はその地区の中の番地にあたります。

同じ地区に住む人どうしは直接行き来でき、別の地区へ行くときはルータという案内所を通る、という関係です。

ネットワーク部とホスト部の境目を示すのが、サブネットマスクです。サブネットマスクとは、ネットワーク部を1、ホスト部を0で表した32ビットの値のことです。

CIDR表記の読み方

サブネットマスクは、2通りの書き方をします。1つは「255.255.255.0」のような10進数の書き方、もう1つは「/24」のようにネットワーク部のビット数を書く方法です。

後者をCIDR(サイダー)表記と呼びます。

「192.168.1.10/24」なら、先頭の24ビットがネットワーク部、残りの8ビットがホスト部という意味です。ホスト部のビット数は、いつでも「32 − スラッシュの後ろの数」で求められます。

よく出てくる長さを、表にまとめておきます。最後の区切り(第4オクテット)だけが変わる範囲です。

オクテットとは、8ビットのまとまり1つのことです。

CIDR サブネットマスク ホスト部のビット数 アドレスの数 使用可能台数
/24 255.255.255.0 8 256 254
/25 255.255.255.128 7 128 126
/26 255.255.255.192 6 64 62
/27 255.255.255.224 5 32 30
/28 255.255.255.240 4 16 14
/29 255.255.255.248 3 8 6
/30 255.255.255.252 2 4 2

この表は丸暗記しなくても大丈夫です。ホスト部のビット数さえ分かれば、残りの列はすべて計算で出せます。

ネットワークアドレスとブロードキャストアドレス

範囲を求める問題では、2つの特別なアドレスが出てきます。どちらも機器には割り当てられないので、台数を数えるときに引く理由もここにあります。

2つの特別なアドレスの意味

ネットワークアドレスは、ホスト部がすべて0のアドレスです。そのネットワーク全体を指す名前のような役割で、個々の機器には使いません。

ブロードキャストアドレスは、ホスト部がすべて1のアドレスです。ブロードキャストとは、同じネットワーク内の全員に一度に送ることです。

このアドレスあてに送ると、ネットワーク内のすべての機器に届きます。

2つの違いを表で比べます。

アドレス ホスト部 役割 機器への割当て
ネットワークアドレス すべて0 ネットワーク全体を表す しない
ブロードキャストアドレス すべて1 ネットワーク内の全員に送る しない
ホストアドレス 上の2つ以外 個々の機器を表す する

範囲の先頭がネットワークアドレス、末尾がブロードキャストアドレスです。その間に挟まれたアドレスが、機器に割り当てられる範囲になります。

2進数のANDで求める方法

ネットワークアドレスは、IPアドレスとサブネットマスクを1ビットずつAND(論理積)すれば求まります。ANDとは、両方が1のときだけ1になる計算です。

マスクが1の部分はそのまま残り、0の部分は0になります。

「192.168.10.70/27」で試してみましょう。/27のマスクは255.255.255.224です。

最初の3つの区切りはマスクが255(すべて1)なので、192.168.10 がそのまま残ります。計算が必要なのは第4オクテットだけです。

第4オクテットの計算を、ビットごとに並べます。

項目 10進数 2進数
IPアドレス 70 0100 0110
サブネットマスク 224 1110 0000
AND の結果 64 0100 0000

70 は 64 + 4 + 2 なので、2進数では 0100 0110 です。マスクの 1 が立っている上位3ビットだけを残すと 0100 0000、つまり 64 になります。

ネットワークアドレスは 192.168.10.64 です。

ブロードキャストアドレスは、ホスト部の5ビットをすべて1にします。0100 0000 の下位5ビットを1にすると 0101 1111 で、10進数では 64 + 31 = 95 です。

ブロードキャストアドレスは 192.168.10.95 になります。

使用可能台数の求め方

台数の計算は、ホスト部のビット数から始めます。式は1つだけなので、意味と一緒に覚えましょう。

2のn乗から2を引く理由

ホスト部が n ビットあると、0と1の組み合わせは 2 の n 乗通りできます。これがそのネットワークにあるアドレスの総数です。

そのうち、ホスト部がすべて0のネットワークアドレスと、すべて1のブロードキャストアドレスは機器に使えません。だから、使用可能台数は 2 の n 乗 − 2 になります。

/27 の場合、ホスト部は 32 − 27 = 5 ビットです。2 の 5 乗は 32 なので、使用可能台数は 32 − 2 = 30 台です。

先ほどの例でいえば、192.168.10.65 から 192.168.10.94 までの30個が機器に割り当てられます。

ブロック単位で数える近道

2進数に直さなくても、範囲を素早く求める方法があります。アドレスの数(2 の n 乗)を1つのブロックと考え、0から順にそのブロックの大きさで区切っていくやり方です。

/27 ならブロックの大きさは32です。第4オクテットは 0〜31、32〜63、64〜95、96〜127…と32ずつ区切られます。

70 は 64〜95 のブロックに入るので、先頭の 64 がネットワークアドレス、末尾の 95 がブロードキャストアドレスです。

ブロックの大きさは「256 − マスクの最後の数」でも求められます。255.255.255.224 なら 256 − 224 = 32 です。

マスクが10進数で書かれている問題では、こちらのほうが速く出せます。

例題で段階的に解いてみる

ここからは、自作の例題で手順を確かめます。どの問題も、次の4つの手順で解けます。

手順 やること
1 ホスト部のビット数を求める(32 − CIDRの数)
2 ブロックの大きさ(2 のホスト部ビット数乗)を求める
3 IPアドレスが入るブロックを探し、先頭と末尾を求める
4 使用可能台数(ブロックの大きさ − 2)を求める

例題1:/24 の範囲と台数

問題 IPアドレス 192.168.1.10/24 が属するネットワークについて、ネットワークアドレス、ブロードキャストアドレス、使用可能台数を求めなさい。

ホスト部は 32 − 24 = 8 ビットです。第4オクテットがまるごとホスト部なので、ブロックの大きさは 2 の 8 乗 = 256、つまり 0〜255 がひとかたまりです。

ネットワークアドレスは 192.168.1.0、ブロードキャストアドレスは 192.168.1.255 になります。使用可能台数は 256 − 2 = 254 台です。

例題2:/25 で範囲が後半になる場合

問題 IPアドレス 172.16.5.130/25 が属するネットワークの範囲と、使用可能台数を求めなさい。

ホスト部は 32 − 25 = 7 ビットで、ブロックの大きさは 2 の 7 乗 = 128 です。第4オクテットは 0〜127 と 128〜255 の2つに分かれます。

130 は 128〜255 のブロックに入ります。ネットワークアドレスは 172.16.5.128、ブロードキャストアドレスは 172.16.5.255 です。

使用可能台数は 128 − 2 = 126 台で、範囲は 172.16.5.129 から 172.16.5.254 までになります。

例題3:必要な台数からマスクを決める

問題 1つのネットワークに50台の機器をつなぎたい。台数を満たすもののうち、ホスト部がもっとも短いサブネットマスクをCIDR表記で答えなさい。

今度は逆向きの問題です。2 の n 乗 − 2 が 50 以上になる、いちばん小さい n を探します。

n = 5 のとき、2 の 5 乗 − 2 = 32 − 2 = 30 台で、50台に足りません。n = 6 のとき、2 の 6 乗 − 2 = 64 − 2 = 62 台で、50台を満たします。

ホスト部は6ビット必要なので、ネットワーク部は 32 − 6 = 26 ビットです。答えは /26(255.255.255.192)になります。

ここで「2 を引く」のを忘れると、2 の 6 乗 = 64 だけを見て判断してしまいます。台数がぎりぎりの問題では結論が変わることがあるので、必ず引いてから比べましょう。

例題4:第3オクテットにまたがる場合

問題 IPアドレス 10.1.6.200/22 が属するネットワークの範囲と、使用可能台数を求めなさい。

ホスト部は 32 − 22 = 10 ビットです。第4オクテットの8ビットに加えて、第3オクテットの下位2ビットもホスト部になります。

第3オクテットだけを見ると、ホスト部は2ビットなので、ブロックの大きさは 2 の 2 乗 = 4 です。第3オクテットは 0〜3、4〜7、8〜11…と4ずつ区切られ、6 は 4〜7 のブロックに入ります。

ネットワークアドレスは、ホスト部をすべて0にした 10.1.4.0 です。ブロードキャストアドレスは、ホスト部をすべて1にした 10.1.7.255 になります。

使用可能台数は 2 の 10 乗 − 2 = 1024 − 2 = 1022 台です。

つまずきやすいポイントと確かめ方

計算の手順が分かっても、試験では細かいところで点を落としがちです。間違えやすい場面を表にまとめます。

つまずき 起こること 確かめ方
2 を引き忘れる 台数が2台多くなる 「台数」「割り当てられる数」と聞かれたら必ず −2
アドレスの数と台数を混同する 32 と 30 を取り違える 問題文が総数を聞いているか、機器の数を聞いているかを読む
ブロックの区切りを1から始める 範囲が1ずれる 区切りは必ず 0 から始める
末尾を次のブロックの先頭にする ブロードキャストが1大きくなる 末尾は「次のブロックの先頭 − 1」
/22 などで第4オクテットだけ見る 範囲を小さく見積もる 32 − CIDR が8を超えたら第3オクテットも見る

求めた答えが合っているかは、簡単に確かめられます。ネットワークアドレスの最後の区切りが、ブロックの大きさで割り切れるかを見てください。

64 は 32 で割り切れるので /27 のネットワークアドレスとして正しく、70 は割り切れないので正しくありません。

ネットワーク分野の中で、どこにつまずきやすいかをもっと広く知りたい人は、こちらの記事が参考になります。

【関連記事】基本情報のネットワークが難しい人へ|つまずく場所と問題の解き方

サブネットの考え方が、DNSやルーティングとどうつながるのかを知ると、計算の意味がさらにはっきりします。

【関連記事】基本情報のネットワーク分野は実務でどう役立つ?IPアドレス・DNS・ルーティングのつながり

科目Bのセキュリティ問題とのつながり

サブネットの計算は科目Aの問題ですが、知識そのものは科目Bの情報セキュリティでも役に立ちます。科目Bでは、社内のネットワーク構成を図で示し、どこで通信を止めるべきかを考える問題が出ます。

たとえば、営業部が 192.168.10.64/27、経理部が 192.168.10.96/27 と書かれていれば、2つは別のネットワークだとすぐに読み取れます。範囲が読めると、ファイアウォールでどの範囲からの通信を許すのか、といった設問の意味も追いやすくなります。

科目Bの情報セキュリティをどう勉強するかは、親記事にまとめています。擬似言語との時間の分け方もあわせて確かめておきましょう。

【関連記事】基本情報 科目Bの情報セキュリティ対策|擬似言語との勉強時間の配分を解説

科目Aの計算問題をほかの分野も含めて見渡したい人には、こちらの記事が向いています。

【関連記事】基本情報の科目A計算問題まとめ|苦手になりやすい8分野と解き方の順番

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まとめ

サブネットマスクは、IPアドレスのネットワーク部とホスト部の境目を示す値です。CIDR表記の「/27」は、先頭27ビットがネットワーク部という意味で、ホスト部は 32 − 27 = 5 ビットになります。

範囲を求めるときは、ブロックの大きさ(2 のホスト部ビット数乗)で0から区切り、IPアドレスが入るブロックの先頭と末尾を探します。先頭がネットワークアドレス、末尾がブロードキャストアドレスで、使用可能台数はブロックの大きさから2を引いた数です。

手順は4つだけなので、何度か手を動かせば迷わなくなります。今日の例題を、答えを隠してもう一度解いてみてください。

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