基本情報の科目A計算問題まとめ|苦手になりやすい8分野と解き方の順番

公開日: 2026-11-03

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科目Aの計算問題が出ると、式を思い出せずに飛ばしてしまう。どこから手を付ければいいんだろう。

計算問題だけ、いつも後回しになっていませんか?

先に答えをお伝えします。科目Aの計算問題で苦手になりやすいのは、稼働率、待ち行列、伝送時間、損益分岐点、確率、浮動小数点、データ量、CPU性能の8分野です。どの分野も、使う式は1つか2つに絞れます。

覚える順番は、単位をそろえる練習になるデータ量から始め、伝送時間、稼働率、確率と進むのがおすすめです。この記事では、8分野の代表的な式と、自作の例題を途中式つきで紹介します。

基本情報技術者試験の全体像を先に確かめたい人は、こちらの記事から読むと流れがつかめます。

【関連記事】基本情報技術者試験とは?試験内容・難易度・勉強法を初心者向けに解説

科目Aの計算問題は8分野に分けると見通しがよくなる

科目Aとは、基本情報技術者試験のうち、選択式の問題で幅広い知識を問う試験です。その中に、数字を使って答えを出す計算問題が混ざっています。

計算問題が苦手に感じるのは、種類がばらばらに見えるからです。ところが分野ごとに分けてみると、それぞれの式は意外と短いことに気づきます。

まずは8分野と代表的な式を、表で一覧にしておきます。

分野 何を求めるか 代表的な式
データ量 画像などの大きさ 画素数 × 1画素のビット数 ÷ 8 = バイト数
伝送時間 データを送り終えるまでの時間 データ量(ビット)÷(回線速度 × 伝送効率)
稼働率 システムが動いている割合 MTBF ÷(MTBF + MTTR)
確率 ある出来事が起きる見込み 少なくとも1回起きる確率 = 1 − 1回も起きない確率
損益分岐点 利益がちょうど0になる売上高 固定費 ÷(1 − 変動費率)
CPU性能 1秒間に実行できる命令の数 クロック周波数 ÷ CPI
浮動小数点 小数をコンピュータで表す形 仮数 × 2の指数乗
待ち行列 窓口で待つ時間 利用率 ÷(1 − 利用率)× 平均サービス時間

表の式は、いまの時点で覚えなくても大丈夫です。このあと、例題を使って1つずつ意味を確かめていきます。

計算問題は「単位」と「割合」で解ける

8分野を見比べると、共通していることが2つあります。1つは、ビットとバイト、時間と分のように、単位をそろえる場面が多いことです。

もう1つは、答えが割合で表される問題が多いことです。稼働率も確率も利用率も、0から1までの数で表します。

この2つに慣れておけば、初めて見る計算問題でも落ち着いて式を組み立てられます。

8分野の代表式と例題

ここからは、覚える順番に沿って8分野を見ていきます。例題はすべて、この記事のために作ったものです。

1. データ量:まずは単位をそろえる

データ量の問題では、ビットとバイトを行き来します。ビットとは0か1を表す最小の単位で、8ビットで1バイトになります。

例題です。横1,000画素、縦800画素で、1画素を24ビットで表す画像のデータ量は何バイトでしょうか。画素とは、画像を作っている小さな点のことです。

まず画素数は、1,000 × 800 = 800,000画素です。次にビット数は、800,000 × 24 = 19,200,000ビットになります。最後に8で割ると、19,200,000 ÷ 8 = 2,400,000バイト、つまり2.4Mバイトです。

2. 伝送時間:ビットに直してから割る

伝送時間は、データを回線で送り終えるまでの時間です。伝送効率とは、回線の速さのうち実際にデータを送るのに使える割合のことです。

例題です。100Mバイトのファイルを、100Mビット/秒の回線で送ります。伝送効率が80%のとき、送り終えるまでに何秒かかるでしょうか。

最初に、ファイルの大きさをビットに直します。100 × 8 = 800Mビットです。

実際に使える速さは、100 × 0.8 = 80Mビット/秒になります。よって、800 ÷ 80 = 10秒です。

回線の速さはビット、ファイルの大きさはバイトで書かれることが多いので、最初に単位をそろえるのがこつです。ネットワーク分野の考え方は、こちらの記事でもくわしく扱っています。

【関連記事】基本情報のネットワークが難しい人へ|つまずく場所と問題の解き方

3. 稼働率:動いていた時間の割合

稼働率は、システムが正常に動いている時間の割合です。MTBF(平均故障間隔)は故障せずに動き続けた平均の時間、MTTR(平均修復時間)は直すのにかかった平均の時間を指します。

例題です。MTBFが90時間、MTTRが10時間の装置の稼働率を求めます。90 ÷(90 + 10)= 90 ÷ 100 = 0.9 です。

稼働率には、装置を直列や並列につないだときの計算もあります。こちらは同じ日に公開した記事で、段階を追って説明しています。

【関連記事】基本情報の稼働率の計算問題|直列・並列システムとMTBF・MTTRを解説

4. 確率:「少なくとも」は反対側から数える

確率の問題でよく出るのが、少なくとも1回起きる確率です。これは、1回も起きない確率を1から引くと簡単に求められます。

例題です。不良品が混ざる確率が0.1の部品を、2個取り出します。少なくとも1個が不良品である確率はいくつでしょうか。

2個とも良品である確率は、0.9 × 0.9 = 0.81 です。よって、少なくとも1個が不良品である確率は、1 − 0.81 = 0.19 になります。

5. 損益分岐点:利益が0になる売上高

損益分岐点とは、売上と費用がちょうど同じになり、利益が0になる売上高のことです。固定費は売上に関係なくかかる費用、変動費率は売上に対する変動費の割合を表します。

例題です。固定費が300万円、変動費率が0.4の会社の損益分岐点売上高を求めます。300 ÷(1 − 0.4)= 300 ÷ 0.6 = 500万円です。

確かめてみると、売上500万円のとき変動費は500 × 0.4 = 200万円です。固定費300万円と合わせて500万円になり、利益は0になります。

6. CPU性能:1秒間に何命令こなせるか

CPU性能の問題では、クロック周波数とCPIを使います。クロック周波数はCPUが1秒間に刻む合図の回数、CPIは1つの命令を実行するのに必要な合図の回数です。

例題です。クロック周波数が2GHz、CPIが4のCPUは、1秒間に何命令を実行できるでしょうか。2GHzは、1秒間に2 × 10の9乗回の合図です。

2 × 10の9乗 ÷ 4 = 5 × 10の8乗命令になります。100万命令を1MIPSと数えるので、この性能は500MIPSです。

7. 浮動小数点:小数を2進数で表す

浮動小数点とは、小数を「仮数 × 2の指数乗」の形で表す方法です。仮数は数字の並び、指数は小数点の位置を表すと考えると分かりやすくなります。

例題として、10進数の0.75を2進数に直してみます。小数部分に2をかけ、整数部分を順に取り出します。0.75 × 2 = 1.5 で1、残りの0.5 × 2 = 1.0 で1となり、0.11(2進数)です。

これを浮動小数点の形にすると、1.1 × 2の−1乗になります。進数の変換に慣れていない人は、こちらの記事で手順を確かめておくと安心です。

【関連記事】科目Bの基数変換問題の解き方|n進数への変換を余りと商で追う

8. 待ち行列:混み具合から待ち時間を出す

待ち行列は、窓口に人が並ぶ様子を計算で表したものです。利用率とは、窓口がどのくらいの割合でふさがっているかを表す数です。

身近なたとえでいうと、コンビニのレジです。客が来る間隔に対して、1人を会計する時間が長いほど、列は長くなります。

例題です。客が平均5分おきに来て、1人の対応に平均4分かかる窓口を考えます。利用率は 4 ÷ 5 = 0.8 です。

平均の待ち時間は、0.8 ÷(1 − 0.8)× 4 = 4 × 4 = 16分になります。

計算問題を解く順番と練習のしかた

8分野の式が分かったら、次は練習の進め方です。闇雲に問題を解くより、順番と手順を決めておくほうが早く身につきます。

覚える順番は「単位」から「割合」へ

最初に取り組みたいのは、データ量と伝送時間です。どちらも単位をそろえる練習になり、ほかの分野の土台になります。

次に、稼働率と確率を学びます。どちらも割合を掛け合わせる計算で、考え方がよく似ています。そのあとで、損益分岐点、CPU性能、浮動小数点、待ち行列へと進みます。

この順番を表にまとめておきます。

段階 分野 身につくこと
1 データ量・伝送時間 ビットとバイト、秒と分をそろえる力
2 稼働率・確率 割合を掛け合わせる考え方
3 損益分岐点・CPU性能 式に数を当てはめて検算する習慣
4 浮動小数点・待ち行列 少し長い式を段階に分けて解く力

計算を手早く進めるこつ

計算問題では、式が分かっていても、途中の計算で時間を使いすぎることがあります。少しの工夫で、手間はぐっと減らせます。

小数のかけ算は、いったん整数にしてから小数点を戻すと楽になります。0.9 × 0.8 なら、9 × 8 = 72 を先に出し、小数点以下が2桁なので0.72とします。

割り算は、分数にして約分してから計算します。570 ÷ 600 なら、両方を10で割って57 ÷ 60、さらに3で割って19 ÷ 20 = 0.95 です。

大きな数は、10の何乗かで書くと桁を取り違えにくくなります。よく使う単位の接頭語を表にまとめておきます。

接頭語 読み方 大きさ
k キロ 10の3乗(千)
M メガ 10の6乗(百万)
G ギガ 10の9乗(十億)
m ミリ 10の−3乗(千分の一)
μ マイクロ 10の−6乗(百万分の一)
n ナノ 10の−9乗(十億分の一)

データ量では、1kを1,024として数える場合もあります。問題文に指示があるときは、必ずそれに従ってください。

どの問題も3つの手順で解く

分野が違っても、解く手順は同じです。1つめは、問題文の数字を単位ごとに書き出して、単位をそろえること。2つめは、式に当てはめて計算することです。

3つめは、出た答えがおかしくないかを確かめることです。稼働率が1を超えていたり、伝送時間が極端に短かったりしたら、どこかで単位を取り違えています。

1週間で8分野を一周する練習例

8分野を一度に覚えようとすると、どれも中途半端になりがちです。1日に1〜2分野ずつ進め、週の終わりに全体を振り返る形がおすすめです。

練習の割り振り例を表にしておきます。

日 取り組む分野 やること
1日目 データ量・伝送時間 単位をそろえる例題を解く
2日目 稼働率 1台・直列・並列の例題を解く
3日目 確率 少なくとも1回の問題を反対側から解く
4日目 損益分岐点 式で解いたあと、売上と費用で検算する
5日目 CPU性能・浮動小数点 10の何乗かと2進数の変換を練習する
6日目 待ち行列 利用率から待ち時間までを段階に分けて解く
7日目 全分野 間違えた例題だけを解き直す

この表はあくまで一例です。苦手な分野が分かったら、その日を増やして調整してください。

科目Aの勉強の進め方全体は、こちらの記事でくわしく紹介しています。

【関連記事】基本情報 科目Aの勉強法|暗記に頼らず得点を伸ばす進め方

計算の力は科目Bのトレースにもつながる

計算問題の練習は、科目Aのためだけのものではありません。数字を書き出して一歩ずつ進める手順は、科目Bでも同じように使います。

科目Bの中心は、擬似言語のプログラムを読む問題です。擬似言語とは、試験のために決められた書き方でプログラムを表したものです。そこでは、変数の値を1行ずつ書き出して追う、トレースという作業をくり返します。

途中の数字を省かずに書く習慣がつけば、トレースでも値の取り違えが減ります。計算問題で身につけた丁寧さは、科目Bの得点にもそのまま生きてきます。

科目Bがどんな試験なのかを知りたい人は、こちらの記事から読み進めてみてください。

【関連記事】基本情報技術者試験の科目Bとは?擬似言語・アルゴリズム対策を初心者向けに解説

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まとめ

科目Aの計算問題は、データ量、伝送時間、稼働率、確率、損益分岐点、CPU性能、浮動小数点、待ち行列の8分野に分けると見通しがよくなります。どの分野も、代表的な式は1つか2つです。

覚える順番は、単位をそろえる分野から始め、割合の分野、少し長い式の分野へと進むのがおすすめです。解くときは、単位をそろえる、式に当てはめる、答えを確かめる、の3つの手順を守りましょう。

苦手だった計算問題も、式の意味が分かれば得点源に変わります。今日は1分野だけでも、例題を自分の手で解いてみてください。

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