科目Bの無料問題だけで足りる?有料演習へ切り替える判断基準
科目Bはいまのところ無料の問題だけで勉強している。このまま本番まで行けるのか、それとも有料の演習にお金を払うべきなのか、決めきれない。
お金をかけるかどうかで、勉強の手が止まっていませんか?
先に答えをお伝えします。無料の問題だけで足りるかどうかは、教材の値段ではなく、いまの自分に何が足りないかで決まります。見るべきは三つです。初めて見る問題に慣れているか、変数の値を追う練習を十分に積めているか、苦手な単元を埋めるだけの問題数があるか、です。
三つとも無料の範囲で満たせているなら、お金をかける必要はありません。どれか一つでも足りないと分かったときが、有料の演習を考えるタイミングです。
この記事では、無料で十分な人とそうでない人の違いを整理し、切り替えるかどうかを決める手順を紹介します。教材どうしの比べ方ではなく、そもそもお金を払うべきかという判断に絞って書いています。
無料で使える科目Bの問題と、その限界¶
判断の前に、無料で手に入る問題にどんな種類があるかを確かめておきます。種類ごとに、得意なことと足りなくなりやすいことが違うからです。
基本情報技術者試験の科目Bは、20問を100分で解く試験です。出題はアルゴリズムとプログラミングが16問、情報セキュリティが4問です。アルゴリズムとは、問題を解くための手順のことを指します。
アルゴリズムとプログラミングの問題は、擬似言語で書かれています。擬似言語とは、試験のために決められた書き方でプログラムを表したものです。プログラムを読んで変数の値がどう変わるかを追い、答えを選びます。
無料の問題の種類と得意なこと¶
無料で使える問題を、主な三つに分けて表にしました。自分がいまどれを使っているかを思い浮かべながら見てください。
| 種類 | 得意なこと | 足りなくなりやすいこと |
|---|---|---|
| IPAのサンプル問題・公開問題 | 本番と同じ作りの問題で形式に慣れられる | 問題の数が多くない。何度も解くと答えを覚えてしまう |
| 学習サイトの無料練習問題 | 単元ごとに易しい問題から始められる | 入門レベルで止まり、本番の難しさまで届かないことがある |
| ブログや解説記事の例題 | 一つの考え方をじっくり理解できる | 問題が散らばっていて、続けて解く量にならない |
IPA(情報処理推進機構)は、試験を実施している機関です。IPAが公表しているサンプル問題と公開問題は、本番の作りを知るうえで欠かせない材料です。どの人も、まずはここから始めて構いません。
公開問題の入手先と使い方は、こちらの記事でくわしく説明しています。
【関連記事】基本情報 科目Bの過去問はどこで解ける?公開問題の使い方と勉強法
無料の問題で起きやすい三つの不足¶
無料の問題だけで勉強を続けると、次の三つが足りなくなりやすくなります。どれも問題の質が低いからではなく、量と並び方の問題です。
一つ目は初見問題への慣れです。初見問題とは、まだ一度も解いたことのない問題のことです。本番の20問はすべて初見なので、答えを知らない問題を解く練習がどうしても必要になります。
二つ目は変数を追う練習の量です。科目Bでは、繰返しの何回目で値がどうなっているかを正確に追えるかが得点を分けます。この力は、問題を何問も解いて少しずつ身に付くものです。
三つ目は苦手単元の問題数です。たとえば配列の問題で間違えたとき、配列だけを続けて5問、10問と解ける材料が手元にあるかどうか。無料の問題はここが手薄になりがちです。
無料の問題だけで十分な人¶
ここからは、無料で足りる人の特徴を見ていきます。当てはまる項目が多いほど、お金をかける理由は少なくなります。
無料で足りる人に共通すること¶
無料の範囲で合格を目指せる人には、いくつか共通する点があります。自分に当てはまるかを、表で確かめてみてください。
| 確かめること | 無料で足りる目安 |
|---|---|
| プログラミングの経験 | 授業や仕事で、何かの言語を書いたことがある |
| 公開問題を初めて解いたとき | 時間はかかっても、自力で答えまでたどり着けた問題が多かった |
| 間違えた理由 | 読み落としや計算ミスなど、原因を自分で言葉にできる |
| 受験日までの期間 | 同じ問題を時間を空けて解き直す余裕がある |
| 情報セキュリティ | 科目Aの勉強で用語をひととおり押さえている |
プログラミングの経験がある人は、擬似言語の書き方に慣れるだけで問題が読めるようになることが多いです。この場合、足りないのは本番の形への慣れなので、公開問題とサンプル問題を丁寧に解けば十分に戦えます。
また、間違えた理由を自分で説明できる人は、少ない問題からでも多くを学べます。1問を解き直すたびに、次の問題で同じ失敗をしにくくなるからです。
無料の問題を何倍にも使う解き方¶
無料で進めると決めたら、少ない問題を薄く使い切らないことが大切です。同じ問題でも、解き方を変えると何度も練習の材料になります。
1回目は時間を測って、本番のつもりで解きます。2回目は時間を気にせず、変数の値をすべて紙に書き出しながら追います。3回目は、選択肢がなぜ違うのかを一つずつ説明できるかを確かめます。
この3回目まで終えた問題は、答えを覚えていても無駄になりません。答えを知っていても、途中の値を正しく説明できるかどうかは別の力だからです。
情報セキュリティの4問は無料で足りやすい¶
科目Bの中でも、情報セキュリティの4問は無料の材料で対策しやすい分野です。問われるのは、会社や組織の状況を読み取って、目的に合った対策を選ぶ力だからです。
この力の土台は、科目Aで学ぶセキュリティの用語です。科目Aの勉強で用語を押さえていれば、あとはサンプル問題と公開問題で、状況の読み取り方に慣れるだけで戦えることが多いです。
有料の演習を考えるときも、まずは擬似言語の16問のほうで不足が出ていないかを見てください。セキュリティだけのためにお金をかける必要があるかは、そのあとで考えれば十分です。
有料の演習へ切り替えたほうがよい人¶
反対に、無料の範囲では埋めにくい不足が見えている人もいます。次のどれかが続いているなら、有料の演習を考える時期です。
切り替えを考える四つのサイン¶
無料で続けた結果、次のような状態になっていないかを確かめてみてください。表の右の列は、その状態で必要になるものです。
| 続いている状態 | 足りていないもの | 必要になるもの |
|---|---|---|
| 公開問題は解けるのに、初めて見る問題になると手が止まる | 初見問題への慣れ | 答えを知らない本番レベルの問題 |
| 繰返しの途中で値がずれ、どこでずれたか分からない | 変数を追う練習の量と、確かめる手段 | 値の変化を確かめながら解ける演習 |
| 同じ単元で何度も間違えるのに、その単元の問題が手元に無い | 苦手単元の問題数 | 単元ごとに分かれた問題のまとまり |
| 解説を読んでも、なぜその答えになるのか納得できない | 理由まで書かれた解説 | 途中の値の追い方まで説明した解説 |
いちばん多いのは、一つ目の状態です。公開問題を何度も解くうちに、答えを覚えて解けるようになっただけ、ということが起こります。このとき必要なのは、まだ見たことのない問題です。
二つ目の状態は、プログラミングの経験が少ない人によく見られます。頭の中で値を追うだけでは、どこで間違えたかに気づけません。実際にプログラムを動かして、自分の読みと比べられる手段があると、ずれた場所がすぐに分かります。
時期によって判断は変わる¶
同じ不足を抱えていても、受験日までの期間によって考え方は変わります。期間ごとの目安を表にまとめました。
| 受験日まで | 考え方 |
|---|---|
| 3か月以上ある | まずは無料の範囲で基礎を固める。三つの不足のどれが出るかを見てから決めても遅くない |
| 1〜2か月 | 公開問題を解いた結果で判断する。初見で手が止まるなら、早めに問題数を増やす |
| 1か月を切った | 新しい教材を広く始めるより、苦手単元に絞って問題数を足す |
3か月以上あるときは、焦ってお金をかける必要はありません。基礎の段階では、無料の練習問題でも十分に学べることが多いからです。
1か月を切ってから有料の教材を始める場合は、全部をやろうとしないことが大切です。間違えた単元だけを選んで解くと、短い期間でも効果が出やすくなります。
お金をかける前に確かめる手順¶
切り替えると決めても、いきなり申し込む前にやっておきたいことがあります。次の三つの手順で、自分に必要なものをはっきりさせましょう。
手順1 無料の範囲で自分の不足を一つに絞る¶
最初に、無料の問題で間違えた問題を集めます。そのうえで、一問ずつ間違えた理由を書き出します。読み落とし、値の追い間違い、知らないアルゴリズム、セキュリティの用語、といった具合です。
並べてみると、理由が一つか二つに偏っていることが多いはずです。この偏りが、有料の演習で埋めたい不足です。不足が分かっていれば、教材のどこを使えばよいかも決まります。
手順2 無料で試せる範囲を使い切る¶
有料の教材の多くは、申し込む前に一部を無料で使えます。この無料の範囲で、手順1で見つけた不足が埋まりそうかを確かめます。
確かめる点は三つです。苦手な単元の問題があるか、解説が途中の値まで説明しているか、自分の読みを確かめる手段があるか、です。無料の範囲で納得できれば、有料に切り替えたあとも同じ質で学べる見込みが高くなります。
教材どうしをどう比べるかは、こちらの記事でくわしく整理しています。
【関連記事】科目Bの有料オンライン教材はどう選ぶ?ブラウザ演習・解説・復習機能の比較基準
手順3 使う期間と総額を先に決める¶
最後に、何か月使うかを決めて総額を見積もります。月額の教材なら、受験日までの月数をかけた金額が目安です。解約の手続きをどこからするかも、申し込む前に見ておくと安心です。
期間を先に決めておくと、払った分を使い切ろうという気持ちが学習の後押しにもなります。反対に、期間を決めずに始めると、使わない月にも払い続けることになりかねません。
すでに受験して、評価点が基準に届かなかった人は、こちらの記事で弱点の分け方を確かめてから判断すると、何にお金をかけるべきかがはっきりします。
【関連記事】基本情報の科目Bが評価点500点台から伸びない人へ|弱点別の立て直し方
Giji Academy の無料と有料の範囲¶
ここで、このサイトで無料でできることと、有料会員になると使える範囲をそのまま書いておきます。まず無料で実力を確かめてから、必要かどうかを判断してください。
Giji Academy には、擬似言語の講座があります。記法の基礎から、条件分岐、繰返し、配列、アルゴリズム、基本情報の科目B対策までを、段階を追って学べる構成です。条件分岐とは、条件によって実行する処理を変えるしくみのことです。
擬似言語シミュレーターでは、擬似言語のプログラムをブラウザ上で1行ずつ実行できます。変数の値が変わる様子を見ながら、自分の読みが合っているかを確かめられます。値がずれる場所が分からない人には、この機能が役に立ちます。
会員の種類ごとの範囲は次のとおりです。
| 会員の種類 | 使える範囲 | 料金 |
|---|---|---|
| 無料会員 | 一部の教材と入門レベルの練習問題 | 無料 |
| 有料会員 | すべての講座と練習問題 | 月額1,980円(税込) |
おすすめの進め方は、無料会員で入門レベルの練習問題とシミュレーターを使い、手順1の不足を確かめることです。入門の問題で迷わず解けるなら、無料の公開問題を中心に続けても構いません。
一方で、単元ごとにもっと問題を解きたい、本番に近い難しさまで練習したいと感じたら、有料会員ですべての講座と練習問題を使えます。どちらにするかは、無料の範囲を試したあとで決めて大丈夫です。
擬似言語の講座の一覧はこちらから開けます。
科目Bの全体像をもう一度確かめたい人は、こちらの記事が参考になります。
【関連記事】基本情報技術者試験の科目Bとは?擬似言語・アルゴリズム対策を初心者向けに解説
試験全体の仕組みから確かめ直したい人は、こちらの記事に戻ってください。
【関連記事】基本情報技術者試験とは?試験内容・難易度・勉強法を初心者向けに解説
まとめ¶
科目Bの無料問題だけで足りるかどうかは、初見問題への慣れ、変数を追う練習の量、苦手単元の問題数の三つで判断します。三つとも無料の範囲で満たせているなら、お金をかける必要はありません。
公開問題は解けるのに初めての問題で手が止まる、値のずれた場所が分からない、苦手単元の問題が手元に無い。こうした状態が続いているなら、有料の演習を考える時期です。
切り替える前には、不足を一つに絞り、無料で試せる範囲を使い切り、使う期間と総額を決めておきましょう。この順番で考えれば、払ったお金がそのまま得点につながります。
無料か有料かに正解はありません。いまの自分に足りないものを見極めて、納得できる形で科目Bの勉強を進めてください。