科目Bのセキュリティ事例問題が解けない人へ|長文の読み方と選択肢の絞り方

公開日: 2026-11-02

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科目Bのセキュリティ問題は、文章が長くて途中で何の話か分からなくなる。用語は覚えたはずなのに、選択肢がどれも正しく見えてしまう。

擬似言語の問題より短いはずなのに、なぜか時間を取られていませんか?

先に答えをお伝えします。セキュリティの事例問題が解けない原因の多くは、知識の量ではなく、長文の読み方にあります。

問題文を登場人物・資産・脅威・対策の四つに分けて小さな表にすると、何が聞かれているかがはっきりし、選択肢も絞りやすくなります。

この記事では、長文を読む順番と、四つの要素の拾い方を、自作の例題で実際に試しながら説明します。最後に、間違った選択肢によくある型と、練習の進め方もまとめます。

科目Bのセキュリティ事例問題とはどんな問題か

読み方の話に入る前に、相手の形を確かめておきます。形が分かっていると、長文を前にしても慌てにくくなります。

基本情報技術者試験の科目Bは、20問を100分で解く試験です。そのうち16問がアルゴリズムとプログラミング、4問が情報セキュリティです。

セキュリティの4問は、ある会社や部署で起きた場面を文章で示し、どう対応するのが適切かを選ばせる形が中心になります。

このように、具体的な場面を示して判断を問う問題を、ここでは事例問題と呼びます。用語の意味をそのまま答える科目Aの問題とは、聞き方が違います。

科目Bのセキュリティ全体で何が出るのか、擬似言語との勉強時間をどう分けるかは、こちらの記事で説明しています。この記事では、その先の長文の読み方に絞ってお話しします。

【関連記事】基本情報 科目Bの情報セキュリティ対策|擬似言語との勉強時間の配分を解説

長文に見えて、聞いていることは短い

事例問題の文章は長く見えます。けれども、その大半は場面の説明で、設問が聞いていることは一つか二つしかありません。

たとえば「この状況で、まず行うべき対応はどれか」「この対策で防げる脅威はどれか」といった具合です。長文の役割は、その問いに答えるための条件を並べることです。

つまり、全文を均等に覚えようとする必要はありません。問いに関係する条件だけを拾えれば、答えは選べます。

解けない原因は三つに分かれる

では、なぜ選べなくなるのでしょうか。つまずき方を三つに分けて、表にまとめました。

つまずき方 起きていること 直し方の方向
途中で話を見失う 人物や機器が多く、誰が何をしたか混ざる 四つの要素を表に書き出す
選択肢がどれも正しく見える 一般論として正しい対策を選んでしまう 問題文の条件と照らして選ぶ
用語は分かるのに選べない 知識が場面と結び付いていない 脅威と対策を対にして覚える

この表で一番多いのは、二つ目のつまずき方です。選択肢はたいてい、どれも何かしらの意味で正しいことを言っています。

正解は、その中で問題文の状況にいちばん合うものです。

だから、選ぶ前に状況を整理しておく必要があります。その整理の道具が、次の章で紹介する四つの要素の表です。

長文を読む手順|四つの要素を表にする

ここからは、実際に問題文を読む順番を説明します。いきなり冒頭から読み始めるのではなく、順番を決めて読むのがコツです。

四つの要素とは、登場人物、資産、脅威、対策のことです。資産とは、守るべき情報や機器のことです。

脅威とは、資産に損害を与えるおそれのある出来事を指します。

手順1|設問と選択肢を先に見る

最初に、問題文の最後にある設問と選択肢に目を通します。何を聞かれているのかを知ってから本文を読むと、拾うべき情報がしぼれるからです。

このとき、選択肢を細かく読み比べる必要はありません。対策を選ぶ問題なのか、原因を選ぶ問題なのか、順番を選ぶ問題なのかが分かれば十分です。

手順2|登場人物と資産を拾う

次に本文を読み、出てくる人物と、守るべきものを拾います。人物は「情報システム部のAさん」「営業部の社員」「委託先の業者」のように、立場ごとに書き出します。

資産は、顧客情報、社内のファイルサーバ、ノートPC、USBメモリなどです。誰がどの資産を扱っているかを線で結ぶつもりで読むと、関係が見えてきます。

手順3|脅威と起きたことを拾う

続いて、何が起きたのか、何が心配されているのかを拾います。メールの添付ファイルを開いた、PCを紛失した、退職者のアカウントが残っていた、といった出来事です。

ここで大事なのは、すでに起きたことと、これから起きるかもしれないことを分けることです。すでに起きた被害への対応を聞く問題と、これからの予防策を聞く問題では、正解が変わります。

手順4|対策と条件を書き添える

最後に、本文に出てくる対策や制約を拾います。「費用はかけられない」「業務を止めずに」「まず最初に」のような条件は、正解を決める重要な手がかりになります。

この条件を読み落とすと、一般論として正しいが、この場面では適さない選択肢を選んでしまいます。条件は、表の横に一言でメモしておきましょう。

四つの要素を拾ったら、次のような表にまとめます。紙の余白に書くなら、矢印でつなぐだけでも構いません。

要素 拾うもの 問題文での目印
登場人物 立場ごとの人や組織 〇〇部、担当者、委託先、利用者
資産 守るべき情報や機器 顧客情報、サーバ、PC、記録媒体
脅威 起きたこと、起きそうなこと 感染、紛失、不正アクセス、誤送信
対策と条件 取った対応、守るべき制約 まず、費用、業務を止めずに、規程

例題で手順を試す

手順は、実際に使ってみると身に付きます。ここでは、試験の形を参考にして作った短い例題で、四つの要素の表を作ってみます。

IPAの問題を写したものではなく、この記事のための自作の例題です。

例題の問題文

次の文章を読んで、設問に答えてください。

X社の営業部では、社員が会社貸与のノートPCで顧客情報を扱っている。ある日、営業部のBさんが、取引先を名乗る相手から届いたメールの添付ファイルを開いた。直後からPCの動きが遅くなり、見覚えのない通信が発生していることに、情報システム部のCさんが気づいた。X社の規程では、マルウェアへの感染が疑われる場合、被害の拡大を防ぐ対応を最優先とすることになっている。

設問:Cさんが最初に行うべき対応として、最も適切なものはどれか。

ア BさんのPCのウイルス対策ソフトの定義ファイルを最新にする イ BさんのPCを社内ネットワークから切り離す ウ 全社員に不審なメールへの注意を呼びかける研修を計画する エ Bさんに、添付ファイルを開いた理由を報告書にまとめさせる

整理の表を作る

手順1で設問を見ると、「最初に行うべき対応」を選ぶ問題だと分かります。順番を問われているので、どれが先かという視点で読みます。

手順2から4で拾った内容を、表にまとめると次のとおりです。

要素 例題から拾った内容
登場人物 営業部のBさん(被害を受けた側)、情報システム部のCさん(対応する側)
資産 顧客情報、BさんのノートPC、社内ネットワーク
脅威 添付ファイルからのマルウェア感染の疑い、見覚えのない通信
対策と条件 規程で、被害の拡大を防ぐ対応を最優先とする

マルウェアとは、PCに害を与える目的で作られたプログラムのことです。表にすると、すでに感染が疑われる状態で、しかも外部と通信している、という状況がはっきりします。

選択肢を絞る

表と照らして、選択肢を一つずつ見ていきます。条件は「被害の拡大を防ぐ対応を最優先」です。

アの定義ファイルの更新は、予防としては正しい対策です。しかし、すでに感染が疑われるPCで最初に行っても、外部との通信は止まりません。

ウの研修は再発防止策で、時間がかかります。エの報告書は原因の記録で、拡大を防ぐ対応ではありません。

残るイは、感染の疑いがあるPCをネットワークから切り離す対応です。社内の他のPCへの広がりや、外部への情報の持ち出しを止められるので、規程の条件に合います。

したがって、正解はイです。

この例題のポイントは、ア、ウ、エもそれぞれ間違った内容ではない、という点です。どれも状況によっては正しい対策ですが、最初に行うべきかという条件で外れます。

選択肢の絞り方|間違いの選択肢によくある型

例題で見たように、事例問題の誤りの選択肢には、いくつか決まった型があります。型を知っておくと、迷ったときに外す理由を言葉にしやすくなります。

代表的な型を、表にまとめました。

型 どんな選択肢か 見分けるための問い
順番違い 正しいが、今やるべきことではない 設問は最初か、再発防止か
対象違い 別の資産や別の人に向けた対策 守りたいのはどの資産か
脅威違い 別の脅威には効くが、今の脅威には効かない 起きているのは何の脅威か
条件無視 費用や業務の制約に反している 本文に制約は書かれていたか
やりすぎ 効果はあるが、業務が止まるほど大きい 業務を続ける前提はあるか

一般論として正しいものを外す

この表のうち、試験でよく迷うのは順番違いと脅威違いです。どちらも、選択肢だけを読むと正しい対策に見えるからです。

そこで、選ぶ前に「この対策は、表のどの脅威に効くのか」と一度確かめてください。表の脅威の欄と結び付かない選択肢は、どれだけ立派な対策でも外せます。

たとえば、パスワードを複雑にする対策は、不正ログインには効きます。けれども、PCの紛失による情報漏えいが問題になっている場面では、ディスクの暗号化のほうが直接効きます。

暗号化とは、鍵を持つ人だけが読める形にデータを変えることです。

迷ったら本文の言葉に戻る

二つの選択肢で迷ったときは、頭の中の知識ではなく、本文の言葉に戻ります。本文に書かれていない前提を自分で足していないかを確かめるためです。

事例問題では、問題文に書かれていない事情を想像すると、かえって間違えます。「本文に書いてあること」だけで判断する、と決めておくと迷いが減ります。

練習の進め方|読む手順を体に覚えさせる

手順は、知っているだけでは本番で使えません。最初のうちは時間がかかっても、毎回表を書く練習をしておくと、だんだん頭の中だけで整理できるようになります。

練習の段階ごとの目安を、表にまとめておきます。

段階 やること 意識すること
最初の数問 四つの要素の表を紙に全部書く 時間を気にせず、拾い漏れをなくす
慣れてきたら 余白に矢印と短いメモだけ書く 条件の一言を必ず書き添える
本番前 時間を測って解く 1問に使う時間の目安を守る

時間の目安については、科目B全体の時間配分と合わせて考えると決めやすくなります。

【関連記事】基本情報 科目Bの時間配分|1問にかけられる時間と見直しの順番

科目Aの知識は脅威と対策の対で覚え直す

表を書いても選べないときは、知識の持ち方を見直します。科目Aで覚えた用語を、脅威と対策の組み合わせとして覚え直すのがおすすめです。

ランサムウェアとバックアップ、紛失と暗号化、退職者のアカウントとアクセス権の削除、のように対で覚えます。ランサムウェアとは、データを使えなくして身代金を要求するマルウェアのことです。

対で覚えておくと、表の脅威の欄から対策を引き出しやすくなります。

科目Aと科目Bでセキュリティの何を勉強すればよいかは、こちらの記事にまとめています。

【関連記事】基本情報の情報セキュリティは何を勉強する?科目A・科目Bの対策を解説

間違えた問題は原因を分けて記録する

演習で間違えた問題は、解説を読んで終わりにしないでください。四つの要素のどこで拾い漏れたのか、選択肢のどの型に引っかかったのかを一言で書き残します。

同じ型で何度も間違えているなら、そこが自分の弱点です。間違いの記録のしかたと解き直すタイミングは、同じ日に公開したこちらの記事でくわしく説明しています。

【関連記事】科目Bの問題を解きっぱなしにしない復習法|間違いノートの作り方と再挑戦のタイミング

Giji Academy のセキュリティ講座で場面をつかむ

事例問題が苦手な人の多くは、問題文の場面を頭の中で思い描けていません。営業部のPC、社内ネットワーク、外部との通信が、どうつながっているかが見えないと、どの対策がどこに効くかも判断しにくくなります。

Giji Academy のセキュリティ講座では、科目Bの情報セキュリティの考え方を、会社のネットワーク構成をシミュレーターに出しながら学べます。文章だけで読んでいた場面を、構成図として目で確かめられるので、四つの要素の表も作りやすくなります。

長文の読み方を練習しながら、場面のイメージを補いたい人は、セキュリティ講座から始めてみてください。一部の教材は無料会員でも使えます。

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科目Bは、セキュリティの4問と擬似言語の16問を合わせて評価されます。擬似言語の問題も含めた科目B全体の進め方は、こちらの記事を参考にしてください。

【関連記事】基本情報技術者試験の科目Bとは?擬似言語・アルゴリズム対策を初心者向けに解説

まとめ

科目Bのセキュリティ事例問題は、長文に見えても、聞いていることは一つか二つです。設問を先に見て、本文から四つの要素を拾い、表にまとめてから選択肢に向かいましょう。

振り返りのために、この記事の手順を一つの表にまとめます。

順番 やること
1 設問と選択肢を見て、何を選ぶ問題かを知る
2 登場人物と資産を拾う
3 脅威と、すでに起きたことを拾う
4 対策と条件を書き添える
5 表と照らし、順番違い・脅威違いなどの型で選択肢を外す

最初は1問に時間がかかっても構いません。表を書く練習を重ねるうちに、長文を読む手が自然に止まらなくなっていきます。

セキュリティの4問を、落ち着いて点を取れる問題に変えていきましょう。

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