基本情報 科目Aの勉強法|暗記に頼らず得点を伸ばす進め方

公開日: 2026-09-22

科目A、覚えることが多すぎて頭に入らない。

用語集を何周もしているのに、模試の点が動かない。そんな状態になっていませんか?

科目Aでつまずく人の多くは、勉強の量が足りないわけではありません。全部を同じやり方で覚えようとしているだけです。

科目Aの中身は、性質のまったく違うものが同じ試験に同居しています。そこを分けずに進めると、努力の割に点が伸びません。

私はエンジニアとして10年以上、Webシステムの開発や運用に携わってきました。新人が資格の勉強でつまずく場面も何度か見てきましたが、止まる場所はだいたい同じです。

決まって、用語カードを作り込んだあたりで手が止まります。作業は進んでいるのに、点数につながっていないからです。

この記事では、暗記に頼らずに科目Aの点を伸ばす進め方をお伝えします。試験そのものの全体像を先に確かめたい人は、親記事から読むと位置づけがつかめます。

【関連記事】基本情報技術者試験とは?試験内容・難易度・勉強法を初心者向けに解説

科目Aが暗記で伸びなくなる理由

はじめに、なぜ暗記だけでは頭打ちになるのかを整理しておきましょう。原因が分かると、やり方を変える踏ん切りがつきます。

科目Aは、用語の意味を問う問題ばかりではありません。計算するもの、仕組みを追うもの、文章から状況を読み取るものが混ざっています。

つまり、同じ勉強法では届かない問題が最初から含まれているということです。ここを知らないまま用語集を回しても、取れない問題は取れないままになります。

覚える量で勝負すると途中で折れる

科目Aの範囲は、技術だけでなく経営や法務にまで広がります。全部を丸暗記しようとすると、終わりが見えません。

しかも、覚えた端から前の分野が抜けていきます。これは記憶力の問題ではなく、量の設計を間違えているだけです。

範囲の広さそのものに手が止まっている人は、優先順位のつけ方を先に決めておくと楽になります。

【関連記事】基本情報は範囲が広すぎる?優先して押さえる分野の決め方

計算問題は覚えても解けるようにならない

基数変換や稼働率のような計算問題は、答えを覚えても次に同じ数字が出ません。手順を身につけるしかない分野です。

逆に言えば、手順さえ入れば安定して取れます。得点が読める問題なので、後回しにしないほうが得です。

私も現場で数値の見積もりをするとき、考え方だけを覚えていて、計算はその場でやります。手順を持っているかどうかが分かれ目になります。

科目Aの分野を3つに仕分ける

次に、勉強のしかたを決めるための仕分けをします。ここが今日いちばんお伝えしたいところです。

科目Aの出題は、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系という大きな区分で整理されています。ただ、勉強のうえで効くのは、その区分より問題の性質です。

性質で分けると、次の3種類になります。手持ちの参考書の目次を開いて、章ごとにどれに当たるか印を付けてみてください。

種類 代表的な内容 伸ばし方 目安の時間配分
手順で解く 基数変換、稼働率、論理演算 解き方を1つ覚えて繰り返す 多め
仕組みで理解する ネットワーク、データベース、セキュリティ 図に描いて流れを追う 多め
言葉を知っていれば取れる 開発手法、法務、経営の用語 過去問で出たものだけ覚える 少なめ

3つ目に時間をかけすぎるのが、いちばんよくある失敗です。範囲が無限に広がるうえ、覚えても1問にしかならないことが多いからです。

理解で量を減らせる分野を先に潰す

ネットワークやセキュリティは、用語の数だけ見ると膨大に感じます。ところが仕組みを1つ理解すると、関連する用語がまとめて分かるようになります。

たとえば通信の流れを一度図に描けば、その上に乗る用語は位置関係で覚えられます。暗記カードを増やすより、図を1枚描くほうが早いです。

セキュリティは科目Bでも出る分野なので、ここに時間を使うと二重に効きます。どこから手を付けるか迷う場合は、こちらを参考にしてください。

【関連記事】基本情報の情報セキュリティは何を勉強する?科目A・科目Bの対策を解説

割り切って覚える分野は範囲を区切る

経営や法務の用語は、理解で減らすことができません。ここは割り切って覚える場所です。

ただし、教科書に載っている全部を覚える必要はありません。過去問で実際に問われたものだけに絞ってください。

この線引きをするだけで、覚える量は目に見えて減ります。減らした時間は、手順で解く分野に回すのが正解です。

過去問を教材として使う進め方

仕分けができたら、進め方は1つに決まります。参考書を頭から読むのではなく、過去問を先に開くやり方です。

これは手抜きではありません。何が問われるかを知らないまま読む時間が、いちばんもったいないからです。

進め方を4段階にまとめました。1分野ずつ、この順番で回していきます。

段階 やること 終わりの合図
1 その分野の過去問を10問ほど解く 解けない問題の種類が分かる
2 解説と参考書で、その問題の周辺だけ読む なぜその答えかを人に言える
3 同じ分野をもう一度解く 手が勝手に動く
4 数日空けてから解き直す 忘れていた場所が分かる

最初に解く段階で点が取れなくても、まったく問題ありません。ここは実力を測るためではなく、読むべき場所を決めるための作業です。

何年分をどの程度まわすかで迷ったら、周回のしかたを整理した記事があります。

【関連記事】基本情報の過去問は何年分・何割解けばいい?周回のしかたを解説

解説を読む前に自分の答えを言葉にする

過去問を解いたあと、すぐ解説に目を移していませんか。ここを少し我慢すると、定着の速さが変わります。

選んだ理由を一言でいいので口に出してから、解説を読んでみてください。当てずっぽうだった問題が、その場ではっきりします。

理由が言えた問題は、もう次から時間をかけなくて構いません。言えなかった問題だけが、今の自分の課題になります。

私も障害対応の振り返りでは、同じことをします。なぜその判断をしたのかを先に言葉にしないと、次に活きないからです。

解き直しの間隔を数日空ける

同じ日に何度も解き直すと、答えを覚えているだけで解けてしまいます。それでは本番で思い出せるかどうかが分かりません。

2日から3日ほど空けてから解き直すのがおすすめです。忘れかけたところで思い出す作業が、いちばん記憶に残ります。

演習量そのものの決め方に迷っている人は、問題集の使い方をまとめた記事も参考になります。

【関連記事】基本情報の問題集・模擬試験はどう使う?演習量の決め方を解説

科目Aの計算は科目Bにつながる

科目Aの勉強は、科目Bと切り離されたものではありません。とくに手順で解く分野は、そのまま擬似言語の読解力になります。

例として、科目Aでよく出る基数変換を擬似言語で書いてみます。10進数を2進数に直す手順を、そのままコードにしたものです。

○整数型の配列: toBinary(整数型: n)
  整数型の配列: bits ← {}
  整数型: v ← n
  while (v > 0)
    bits の末尾 に (v mod 2) を追加する
    v ← v ÷ 2 の商
  endwhile
  return bits の並びを逆にしたもの

紙の上でやっている割り算と余りの手順が、そのまま繰返しの形になっています。科目Aで手順を覚えた人は、このコードを読む速さが違います。

逆に、擬似言語のループが読めるようになると、科目Aの計算問題でも手順を整理しやすくなります。両方向に効くということです。

科目Bそのものの全体像がまだ見えていない人は、先にこちらで輪郭をつかんでおくと進めやすくなります。

【関連記事】基本情報技術者試験の科目Bとは?擬似言語・アルゴリズム対策を初心者向けに解説

科目Aだけを先に仕上げようとしない

科目Aが終わってから科目Bに入る、という計画を立てる人がいます。これはあまりうまくいきません。

科目Aは範囲が広いので、仕上がったと感じる日が来ないからです。結果として、科目Bに手を付けないまま日が過ぎます。

並行して進めるほうが、どちらも早く形になります。順番の考え方はこちらで詳しく書いています。

【関連記事】基本情報は科目AとB、どっちから勉強する?先に科目Bと言い切る理由について解説!

手を動かして確かめる場所を持っておく

擬似言語のコードは、読んだだけでは身につきません。動かして確かめる手段を持っておくと理解が速くなります。

Giji Academy の擬似言語シミュレーターなら、コードを1行ずつ実行して変数の値が変わる様子を画面で追えます。さきほどの基数変換も、途中の値を見ながら試せます。

擬似言語シミュレーターで手順を動かしてみる

無料で使えるので、科目Aの計算問題に詰まった日の気分転換にも向いています。

科目Aでよくあるつまずきと抜け方

ここで、相談を受けてきたなかで多かったつまずきを挙げておきます。自分に当てはまるものがあれば、そこだけ直せば十分です。

どれも真面目に取り組んでいる人ほど陥りやすいものです。サボった結果ではないので、落ち込む必要はありません。

つまずき 何が起きているか 抜け方
参考書を頭から読んでいる 出ない場所にも同じ時間を使っている 過去問で出た章から開く
ノートを作り込んでいる 書く作業で時間が終わる 解けなかった問題だけメモする
計算問題を飛ばしている 得点が読める分野を捨てている 1種類ずつ手順を覚える
分野を行ったり来たりする どれも定着しない 1分野を終えてから次へ移る

とくに多いのが、2つ目のノート作りです。きれいにまとまったノートは達成感がありますが、点には直結しません。

私も昔、勉強会の資料を作り込んで満足してしまったことがあります。手を動かした量と理解の深さは、必ずしも一致しませんでした。

分からない用語は深追いしない

知らない用語が出てくると、調べ始めて止まらなくなることがあります。気づくと、1問のために30分使っていたりします。

科目Aは、1問ごとの重みがそれほど大きくありません。分からないものは印だけ付けて、先に進んでください。

2周目に同じ用語がまた出てきたら、そのときに調べれば十分です。2周目でも出ないなら、優先度は低かったということになります。

得点の目標を分野ごとに持たない

分野ごとに満点を目指すと、どこかで必ず苦しくなります。科目Aは全体で基準を超えればよい試験です。

苦手な分野が1つ残っていても、ほかで取れていれば問題ありません。合格の基準そのものを確かめておくと、力の入れどころが決まります。

【関連記事】基本情報の合格点は何割?科目A・科目Bの基準と得点計画を解説

試験が近づいてからの詰め方

最後に、直前期の科目Aの扱いを書いておきます。残り時間が少ないときは、やることを絞るほうが点が残ります。

このころに新しい参考書へ手を出すのは避けてください。すでに解いた問題の取りこぼしを消すほうが、効率がずっと高いです。

残り期間別の目安をまとめました。あくまで優先順位の話で、時間の長さを保証するものではありません。

残り期間 科目Aでやること
1か月以上 分野ごとに過去問と参考書を往復する
2〜3週間 間違えた問題だけを集めて解き直す
1週間 計算問題の手順確認と、用語の最終確認に絞る

直前に伸びやすいのは、手順で解く分野です。基数変換や論理演算は、手が覚えていれば本番でも落ちません。

逆に、この時期に用語を一から詰め込むのは効率が悪くなります。すでに一度見た用語を思い出す作業に切り替えてください。

まとめ

科目Aは、覚える量を増やすほど点が伸びる試験ではありません。分野の性質に合わせてやり方を変えるほうが、ずっと早く届きます。

今日の要点を振り返っておきましょう。

押さえどころ 内容
仕分ける 手順・仕組み・用語の3種類に分ける
時間の配分 手順と仕組みに厚く、用語は薄く
教材の順番 過去問を先に開き、必要な場所だけ読む
科目Bとの関係 並行して進める。計算の手順は擬似言語に効く

用語カードを作り込んでいた時間を、計算と仕組みに回してみてください。それだけで、模試の点は動き始めます。

範囲が広い試験なので、全部を完璧にする必要はありません。取れる問題を取りこぼさない形に整えるほうが現実的です。

まずは今日、手元の過去問を1分野だけ開いてみましょう。読むべき場所が決まれば、勉強はそこから軽くなります。

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