基本情報の問題集・模擬試験はどう使う?演習量の決め方を解説

公開日: 2026-09-15

問題集は買った。でも、どこから何問やればいいのか分からない。

演習の量を、なんとなくで決めていませんか?

参考書を一通り読み終えたあと、多くの人がここで止まります。やるべきことは演習だと分かっているのに、手が動かないのです。

そして目についた問題から解き始めて、直前になって手つかずの分野に気づく。よくある流れです。

私はエンジニアとして10年以上、Webシステムの開発や運用に携わってきました。新しい言語や仕組みを覚える場面は何度もありましたが、身についたかどうかを分けたのは、書いた量ではありませんでした。

差がついたのは、間違えた場所を記録して、同じ間違いを二度目にしなかったかどうかです。資格の勉強でも、まったく同じことが起きます。

この記事では、問題集・練習問題・模擬試験の役割を分けたうえで、演習の量をどう決めるかをお伝えします。冊数を増やす話ではありません。

試験の全体像がまだぼんやりしている場合は、先にこちらを読むと演習の位置づけがはっきりします。

【関連記事】基本情報技術者試験とは?試験内容・難易度・勉強法を初心者向けに解説

問題集・練習問題・模擬試験は役割が違う

演習と一口に言っても、中身は三つに分かれます。ここを混ぜたまま進めると、時間だけが減っていきます。

まず、それぞれが何のためのものかを整理しておきましょう。置き場所が決まると、迷う時間がなくなります。

種類 目的 向いている時期 終わったあとにやること
問題集 分野ごとの穴を見つける 参考書を読み終えた直後 間違えた分野を参考書に戻って読む
練習問題 解き方の手順を体に入れる 穴が分かったあと 同じ型の問題をもう一度解く
模擬試験 時間配分と本番の感覚を試す 試験日の3〜4週間前 時間を使いすぎた場所を特定する

この表で大事なのは、いちばん右の列です。解いて丸を付けるところで終わると、どの種類も効果が半分になります。

演習が伸びない人の多くは、解く量ではなく、解いたあとの処理を飛ばしています。私が新人に演習を勧めるときも、必ずここを先に決めてもらいます。

問題集は正解するためのものではない

問題集を解く目的は、点を取ることではありません。自分がどの分野で落ちるかを見つけることです。

だから最初の1周は、正答率が低くても問題ありません。むしろ全問正解してしまうと、その周は情報が何も得られなかったことになります。

解きながら、分からなかった問題に印を付けてください。印の付き方に偏りが出たら、そこが穴です。

実務でも、テストを書く目的は通すことではなく、壊れている場所を先に見つけることでした。問題集はその役割に近いものだと考えると、向き合い方が変わります。

練習問題は同じ型を繰り返すためのもの

穴が見つかったあとに必要なのは、別の問題ではなく同じ型の問題です。一度間違えた手順を、もう一度なぞる必要があります。

ここで新しい問題集をもう1冊買ってしまう人がいます。気持ちは分かりますが、型が身につく前に量を増やしても、同じ間違いを別の場所で繰り返すだけです。

練習問題は、正解の手順を思い出さずに再現できるところまで続けます。答えを覚えるのとは違います。

模擬試験は点数を測る道具ではない

模擬試験の役割は、実力の測定ではありません。時間の使い方を試すことです。

同じ問題でも、時間を区切って解くと手が止まる場所が変わります。その場所こそが、本番で落とす場所になります。

だから模擬試験は、点数よりも時間の配分を振り返るために使ってください。詳しい見方は後半で扱います。

演習量はどう決めればいいのか

何問やればいいですか、という質問をよく受けます。ただ、問題数を先に決めるやり方はあまりうまくいきません。

決めるべきなのは問題数ではなく、時間の配分です。残り期間ごとの目安を表にしました。

残り期間 演習に充てる割合 優先すること
3か月以上 全体の3割 参考書を読みながら分野ごとに解く
2か月前後 全体の5割 問題集を1周して穴を洗い出す
1か月前 全体の7割 間違えた分野の解き直しと科目Bの演習
2週間前 全体の8割 模擬試験と、間違えた問題のやり直し

割合で決めておくと、忙しい週でもやることが変わりません。勉強時間が半分になっても、比率はそのまま保てます。

逆に問題数で決めると、時間が取れない週にそのまま計画が崩れます。崩れた計画は、たいてい戻ってきません。

科目Aは周回数、科目Bは問題数で数える

同じ演習でも、科目Aと科目Bでは数え方を変えたほうがうまくいきます。問われている力が違うからです。

科目Aは知識を問う試験なので、広く浅く何度も当たるのが効きます。同じ問題集を何周したかで進み具合を測ってください。

一方の科目Bは、1問に向き合う時間が長い試験です。周回数ではなく、何問を最後まで自力で追えたかで数えます。

科目Bを科目Aと同じ感覚で周回すると、答えの記号だけを覚えてしまいます。これが本番でいちばん効かない状態です。

過去問を何年分やるべきか迷っている場合は、こちらで周回の考え方を詳しく整理しています。

【関連記事】基本情報の過去問は何年分・何割解けばいい?周回のしかたを解説

解き直す時間を先に確保する

演習計画で最初に崩れるのが、解き直しの時間です。新しい問題を解くほうが進んでいる感じがするので、つい後回しになります。

そこで、週の演習時間の3割ほどを解き直しに先取りしてください。残りで新しい問題を解く形にします。

この順番にしておくと、間違えた問題が溜まったまま試験日を迎えることがなくなります。実務で不具合の修正を後回しにすると溜まるのと同じ構造です。

問題集は1冊を最後まで使う

複数の問題集を並行させると、どれも中途半端なところで止まります。分野の並び順も解説の書き方も違うので、行き来するたびに頭を切り替える必要があるからです。

まずは1冊を最後まで通すほうが、結果として早く終わります。足りない分野が見つかったときに、初めて2冊目を検討してください。

問題集や参考書の選び方そのものに迷っている場合は、書名ではなく中身の基準で決めるのが失敗しないコツです。

【関連記事】基本情報の参考書はどう選ぶ?おすすめの基準と古い版の扱いを解説

科目Bの演習は問題集だけでは足りない

ここまでの話は、科目Aにはそのまま当てはまります。ただ科目Bだけは、問題集を解くだけでは埋まりません。

理由は単純で、擬似言語のコードは目で追っただけでは値の動きが見えないからです。答え合わせをしても、どこで間違えたかが分からないまま終わります。

たとえば、次のような短いコードを考えてみてください。演習の記録を数える処理です。

整数型の配列: kekka ← {1, 0, 1, 1, 0}
整数型: i, seikai
seikai ← 0
for (i を 1 から kekka の要素数 まで 1 ずつ増やす)
  if (kekka[i] = 1)
    seikai ← seikai + 1
  endif
endfor

読むだけなら、正解した回数を数えていると一目で分かります。多くの人がここで止まってしまいます。

では、seikai の値は途中でどう変わるでしょうか。書き出すと次のようになります。

i kekka[i] 条件 seikai
1 1 1
2 0 1
3 1 2
4 1 3
5 0 3

この表を自分で書けたかどうかが、本番での差になります。問われているのは答えではなく、途中の値を追えるかどうかだからです。

本番の問題では、条件が入れ子になったり、配列の添字がずれたりします。そのときに頼れるのは、値を書き出す手癖だけです。

科目Bは解説を読んだだけでは再現できない

科目Bの問題集には解説が付いています。ただ、解説を読んで納得しても、次の問題が解けるとは限りません。

解説は正解までの道のりを整理したものなので、迷った場所が省かれています。自分がどこで迷ったかは、自分で追わないと出てきません。

だから科目Bの演習では、解説を読む前に必ずトレース表を書いてください。書いたうえで解説と突き合わせると、ずれた行がはっきりします。

科目Bという試験そのものの中身を先に押さえておきたい場合は、こちらが入口になります。

【関連記事】基本情報技術者試験の科目Bとは?出題内容と対策を初心者向けに解説

演習が足りないときは自分で作れる

科目Bの問題は数が限られているので、すぐに手持ちが尽きます。ここで焦って答えを覚え始めると、初見の問題に対応できなくなります。

足りないぶんは、自分で作るのがいちばん早い解決策です。変数の初期値や条件を少し変えるだけで、別の問題になります。

擬似言語の練習問題を自作する手順は、専用の記事でまとめています。

【関連記事】擬似言語の練習問題が足りない人へ|自分で作って力を付ける方法

Giji Academy の擬似言語シミュレーターは、この書き出しを画面上でできるように作ってあります。コードを1行ずつ進めて、変数の中身が変わる様子をその場で確認できます。

無料で試せるので、科目Bの演習でつまずいている場合は一度動かしてみてください。擬似言語の学習コースから分野を選べます。

模擬試験はいつ受けて、どう振り返るか

模擬試験は、早すぎても遅すぎても効果が薄くなります。受ける時期の目安は、試験日の3〜4週間前です。

早すぎると、まだ埋まっていない分野が多すぎて時間の話にならない。遅すぎると、見つかった課題を直す時間が残りません。

振り返るときに見るのは、点数ではなく時間の使い方です。次の観点で確認してください。

見るところ 良い状態 崩れているときの直し方
最後まで解き切れたか 見直しの時間が残った 1問あたりの上限時間を決めて練習する
どこで時間を使ったか 配点の大きい問題に使えた 手が止まる型を演習で潰す
飛ばす判断ができたか 迷ったら印を付けて先へ進めた 演習でも飛ばす練習を入れる
間違いの種類 知識不足が中心 読み違いが多いなら読み方から直す

いちばん多いのは、時間が足りずに最後まで届かない状態です。この場合、知識を足すより先に、飛ばす判断の練習が必要になります。

飛ばすのは逃げではありません。限られた時間で点を最大にする、れっきとした技術です。

模擬試験は本番と同じ条件で受ける

家で解くときも、時間を測って途中で止めないでください。条件を緩めると、時間の話が測れなくなります。

途中で参考書を開くのもやめておきます。分からない問題を飛ばす感覚は、その場でしか練習できません。

終わったあとに調べるのは自由です。むしろ、そこが復習のいちばん濃い時間になります。

結果が悪くても方針は変えない

模擬試験の点数が思ったより低いと、教材を変えたくなります。ただ、残り1か月で柱を変えるのはおすすめしません。

点数が低いのは、たいてい教材のせいではなく演習量の配分の問題です。どの分野で落としたかを見て、そこに時間を寄せれば足ります。

過去問演習に寄せすぎたときに何が起きるかは、別の記事で詳しく整理しています。

【関連記事】基本情報は過去問道場だけで合格できる?足りない部分と補い方

演習でよくある三つの失敗

最後に、見てきたなかで多かった失敗を挙げておきます。どれも真面目に取り組んでいる人ほど起こりやすいものです。

自分が当てはまっていないか、確かめながら読んでみてください。

失敗 起きること 立て直し方
問題集を増やす どれも途中で止まる 1冊を最後まで通す
解きっぱなしにする 同じ分野で何度も落とす 解き直しの時間を先に確保する
科目Bを周回する 答えの記号を覚えてしまう 1問ずつトレース表を書く

共通しているのは、解いた量が増えても、間違いが減っていないことです。演習の目的は問題を消費することではありません。

減らしたいのは、間違いの種類です。同じ理由で落とす問題が減っていれば、演習は効いています。

進み具合は正答率ではなく間違いの種類で測る

正答率は分かりやすい指標ですが、上下しやすく当てになりません。簡単な分野が続けば上がり、苦手な分野に入れば下がります。

代わりに、間違えた理由を三つに分けて記録してみてください。知識が無い、読み違えた、時間が足りない、の三つです。

どの理由が減っているかを見れば、演習が効いているかが分かります。知識不足が減って読み違いが残っているなら、次は読み方の練習に移る時期です。

まとめ

問題集は穴を見つける道具、練習問題は型を身につける道具、模擬試験は時間の使い方を試す道具です。役割を分けるだけで、同じ時間でも進み方が変わります。

演習量は問題数ではなく、勉強時間に対する割合で決めてください。忙しい週でも計画が崩れなくなります。

科目Aは周回数、科目Bは自力で追い切った問題数。この数え方の違いを守れば、科目Bだけ手応えが無いという状態を避けられます。

そして解いたあとの解き直しが、いちばん点になる時間です。新しい問題より先に、間違えた問題に戻ってください。

科目Bの演習で値の動きが見えなくなったら、コードを1行ずつ動かせる場所に戻ってきてください。追えた瞬間に、擬似言語は急にやさしくなります。

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