ITパスポートの勉強時間は何時間?初心者・経験者別に目安と配分を解説

公開日: 2026-08-25

ITパスポートって、結局どれくらい勉強すれば受かるんだろう。

調べるたびに違う数字が出てきて、手が止まっていませんか?

100時間必要と書いてあるサイトもあれば、20時間で十分と書いてあるサイトもあります。どちらを信じればいいのか分からないまま、開始日だけが後ろにずれている人は少なくありません。

先に結論をお伝えします。必要な時間は、あなたがいまどこに立っているかで丸ごと変わります。

私はエンジニアとして10年以上、Webシステムの開発や運用に携わってきました。新人の教育や、開発以外の部署の担当者にIT の基礎を説明する場面にも何度も立ち会っています。

そこで痛感したのは、同じ教材を渡しても仕上がるまでの時間が人によって何倍も違うということです。出発点が違うのだから、当たり前といえば当たり前でしょう。

この記事では、目安の数字を並べるだけで終わらせません。自分に必要な時間をどう見積もり、どこに配るかまで順番に説明していきます。

勉強時間の目安が人によって違う理由

まずは、世の中に出回っている数字との付き合い方から整理しましょう。ここを取り違えると、最初の一歩でつまずきます。

ITパスポートは、ITを専門としない人までを対象にした幅の広い試験です。受験する人の背景がばらばらなので、平均値の意味も薄くなります。

よく見る数字は平均であって、あなたの数字ではない

どこかで見た100時間という数字は、誰かの実績を集めた平均でしかありません。あなたの持ち時間の見積もりに、そのまま使えるものではないのです。

たとえばパソコンを日常的に使っている人にとって、ファイルやネットワークの用語は説明を読めばすぐ腑に落ちます。一方でスマートフォンしか触ってこなかった人は、同じ1ページを読むのに数倍の時間がかかります。

差が出るのはテクノロジ系だけではありません。仕事で見積書や契約に関わってきた人なら、ストラテジ系の用語にも見覚えがあるはずです。

つまり、必要な時間はあなたの経歴が半分決めてしまいます。数字を探すより、自分の位置を測るほうが先です。

まず10問だけ解いて出発点を測る

測り方はとても簡単で、10分あれば終わります。公開されている問題を10問だけ解いてみてください。

大事なのは点数ではなく、手応えのほうです。半分くらい分かるならすでに土台があり、まったく歯が立たないなら用語の入力から始める段階だと判断できます。

この一回で、テキスト中心か演習中心かが決まります。決まってしまえば、あとは進めるだけです。

試験そのものの中身をまだ押さえていない場合は、先に全体像を確認しておくと見積もりの精度が上がります。

【関連記事】ITパスポートとは?試験内容・難易度・勉強法を初心者向けに解説

出発点別に見る勉強時間の目安

自分の位置がつかめたところで、目安の幅を出しておきます。断定はできませんが、幅で持っておくと計画は立てられます。

次の表は、私が新人や他部署の担当者を見てきた範囲での感覚も交えた目安です。範囲に幅があるのは、そこに個人差が入るからだと考えてください。

出発点 目安の総時間 重くなりやすい分野 進め方の軸
IT にほとんど触れてこなかった 100〜150時間 テクノロジ系 テキストを1周してから演習
事務職などで日常的にPCを使う 60〜100時間 テクノロジ系の技術用語 演習しながら用語を補う
IT 企業に入って日が浅い 40〜70時間 ストラテジ系 苦手分野を先に埋める
開発や運用の実務経験がある 20〜40時間 ストラテジ系・マネジメント系 過去問だけで仕上げる

この幅を見て、多いと感じたでしょうか。少ないと感じたでしょうか。

どちらの感想も正しいので、心配しないでください。大切なのは、自分の行にだけ目を向けることです。

IT未経験から始める場合

未経験から始める人がいちばん時間を取られるのは、用語を頭に入れる最初の期間です。ここを乗り越えれば、あとは目に見えて楽になります。

やりがちな失敗は、1周目で完璧に覚えようとすることです。それをやると、テキストの半分で力尽きてしまいます。

おすすめは、1周目は理解半分で流し、2周目以降を問題演習で埋める進め方です。同じ用語に何度も出会ううちに、勝手に定着していきます。

最初の一歩をどう踏み出すか迷っている人は、始め方を扱った記事もあわせて読んでみてください。

【関連記事】ITパスポートは何から勉強する?初心者向けに最初の一歩を解説

仕事でパソコンを使っている場合

すでにPCを使いこなしている人は、テキストを頭から読む必要がありません。いきなり問題を解き始めるほうが速く仕上がります。

ただし油断しやすい落とし穴があります。技術用語は分かるのに、経営戦略や会計の用語で失点する形です。

この場合は、分からなかった問題の分野を記録してください。数十問も解けば、自分の穴が数分野に固まっていることが見えてきます。

穴が見えたら、そこだけテキストに戻れば十分です。全体を読み直す時間を節約できるぶん、総時間はさらに縮みます。

勉強時間の中身をどこに配ると効率がいいか

総時間が決まっても、配り方を間違えると点は伸びません。ここからは中身の話に移ります。

配分を考える前に、試験の形式を確認しておきましょう。ITパスポートは試験時間が120分、出題数は100問で、すべて四肢択一です。

出題はストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の3分野からで、おおよその内訳は次のとおりです。数字は2026年8月時点の公開情報にもとづいています。

分野 おおよその出題数 初心者の負担 時間配分の目安
ストラテジ系 約35問 用語量が多い 全体の3割
マネジメント系 約20問 比較的軽い 全体の2割
テクノロジ系 約45問 未経験者には重い 全体の5割

テクノロジ系に厚く配るのは、出題数が最も多いうえに理解に時間がかかるからです。逆にマネジメント系は範囲が狭いので、少ない時間でも取り返せます。

分野別評価点があるので苦手を捨てられない

ここで、ITパスポート特有の仕組みに触れておきます。合格の条件が二段構えになっているのです。

総合評価点で600点以上を取ることに加えて、3分野それぞれで300点以上が必要です。どれか1分野でも300点に届かなければ、総合で600点を超えていても不合格になります。

得意分野だけを伸ばす作戦が使えない、ということです。勉強時間を配るときは、苦手分野を放置しない前提で組んでください。

なお採点はIRTという方式で行われるため、単純な正答数がそのまま点数になるわけではありません。細かく計算するより、全分野をまんべんなく仕上げるほうが確実です。

制度の細部は改定されることがあります。受験前には公式の案内で最新の内容を確認してください。

擬似言語の問題に時間を使うべきか

テクノロジ系の中で、多くの人が手を止めるのが擬似言語の問題です。プログラムのような書き方のものが、突然現れます。

ここに何時間かけるべきかは、よく相談を受けるところです。結論を先に言えば、全体の1割程度で十分に足ります。

たとえば次のようなコードが出てきたとします。配列に入った点数の合計を求める、素直な形です。

○整数型: 合計を求める(整数型の配列: 点数)
  整数型: 合計 ← 0
  整数型: i
  for (i を 1 から 点数の要素数 まで 1 ずつ増やす)
    合計 ← 合計 + 点数[i]
  endfor
  return 合計

配列に80と60と90が入っている場合を追いかけてみましょう。1行ずつ表にすると、動きがはっきりします。

繰返し i 点数[i] 合計
開始前 0
1回目 1 80 80
2回目 2 60 140
3回目 3 90 230

難しいことは何もしていません。合計に値を足しては次へ進む、それを要素の数だけ繰り返しているだけです。

このくらいの形が読めれば、ITパスポートの擬似言語は十分に戦えます。基本情報技術者試験のような複雑さは求められません。

擬似言語は1問あたりの費用対効果で考える

時間を配るときは、1問にどれだけの価値があるかで判断してください。擬似言語の問題は、出題数から見れば多くはありません。

一方で、まったく手を付けないと決めてしまうのも惜しい話です。読み方さえ分かれば、その場で答えが出る問題だからです。

私の実感では、擬似言語に数時間かけて基本の形に慣れておくのが、いちばん割のいい投資になります。用語の暗記と違って、覚え直す必要がないからです。

読み方をこれから身に付ける人は、試験に合わせた解き方から入るのが早道です。

【関連記事】ITパスポートの擬似言語の解き方とは?初心者でも得点につながる攻略法

そもそも擬似言語とは何なのかを押さえたい場合は、こちらから読むと土台ができます。

【関連記事】擬似言語とは?IT初心者にもわかる意味・書き方・プログラミングとの違いをやさしく解説

紙で追うだけでは不安が残る、という人もいるでしょう。Giji Academy の擬似言語シミュレーターなら、コードを1行ずつ進めながら変数の値が変わる瞬間を目で追えます。

自分のトレースと画面の値がずれた場所が、そのまま次に埋めるべき穴になります。数時間の投資でここまで確かめられるなら、悪くない話ではないでしょうか。

期間と1日あたりの時間に落とし込む

総時間と配分が決まったら、最後にカレンダーへ落とし込みます。ここまでやって、はじめて計画になります。

仮に総時間を100時間としたとき、期間ごとの1日あたりの負担を表にしました。自分の生活に合う行を選んでください。

期間 1日あたり 向いている人 注意点
1か月 約3時間 まとまった時間が取れる 用語の定着が浅くなりやすい
2か月 約1.7時間 平日も少し時間が取れる 中だるみしやすい
3か月 約1.1時間 忙しく、細切れの時間しかない 前半の内容を忘れやすい

どの期間を選んでも合格はできます。違うのは、どこにリスクがあるかだけです。

短期集中なら忘れる前に受験日が来るという利点があり、長期なら1日の負担が軽いという利点があります。自分が続けられるほうを選んでください。

長い期間を選ぶ場合は、週に一度だけ復習の日を作っておくと安心です。前半に覚えた用語を思い出す時間を挟むだけで、忘れる速さがぐっと落ちます。

ITパスポートは通年で実施されているので、受験日を自分で決められます。計画を立ててから申し込む、という順番が取りやすい試験です。

勉強時間が伸びてしまう人に共通すること

最後に、時間だけがかさんでしまう人のパターンに触れておきます。心当たりがあれば、途中で軌道修正できます。

いちばん多いのは、テキストを読む時間が長すぎる形です。読んでいる時間は安心感がありますが、点を作っているのは問題を解く時間のほうです。

次に多いのが、分からない用語を1つずつ完璧に調べてしまう形です。調べ始めると関連用語が芋づる式に出てきて、1時間が消えます。

分からない用語には印だけ付けて、先に進んでください。2周目に出会ったとき、意外とすんなり分かるものです。

これは実務でも同じでした。私が新しい技術を触るときも、最初から全部を調べようとした日は結局何も進まないまま終わります。

もう一つ挙げるなら、模擬試験を後回しにしすぎる形もよくあります。本番の形式に慣れる時間は、早めに一度取っておくほうが安全です。

合格した後の道筋まで見えていると、勉強の意味づけも変わってきます。次の目標を先に知っておきたい人は、こちらもご覧ください。

【関連記事】ITパスポートから基本情報技術者試験へ進むには?ステップアップ方法

まとめ

ここまでの内容を、最後に振り返っておきます。

ITパスポートに必要な勉強時間は、出発点によって20時間から150時間ほどまで幅があります。世の中の平均値を探すより、10問解いて自分の位置を測るほうが確実です。

時間の中身は、出題数と負担に合わせてテクノロジ系へ厚めに配ってください。ただし分野別評価点があるので、苦手分野を捨てる作戦は取れません。

擬似言語は全体の1割程度で十分です。数時間かけて基本の形に慣れておけば、そのぶんは確実に点になって返ってきます。

総時間が決まったら、1か月から3か月のどれかに落とし込みましょう。どの期間を選んでも合格はできるので、続けられるほうを選ぶのが正解です。

数字に振り回される時間は、今日で終わりにしましょう。まずは10問、解いてみるところから始めてみてください。

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