基本情報技術者試験の勉強法|科目Aと科目Bの進め方を順番に解説

公開日: 2026-08-26

基本情報の勉強、結局どう進めるのが正解なんだろう。

参考書を買ったあと、1ページ目で手が止まっていませんか?

範囲が広く、科目Aと科目Bで中身も違う。何をどの順番でやるのか決まらないまま、日付だけが進んでしまう人は本当に多いです。

先に結論をお伝えします。基本情報の勉強法は、科目Aと科目Bをまったく別の試験として扱うところから始まります。

私はエンジニアとして10年以上、Webシステムの開発や運用に携わってきました。新人研修で基本情報の受験を勧める側にも、実際につまずいた人の相談を受ける側にも立ってきています。

そこで何度も見たのは、真面目な人ほど科目Aのテキストを丁寧に読み込み、科目Bに入る前に息切れするという光景でした。順番と配分を最初に決めておけば、避けられた失速です。

この記事では、試験の形から逆算した勉強の進め方を、段階ごとに順を追って説明していきます。

基本情報の勉強法は、試験の形から決まる

やり方を決める前に、まず相手の形を知っておきましょう。ここを飛ばすと、力を入れる場所を間違えます。

基本情報技術者試験は、科目Aと科目Bの2つで構成されています。どちらも通年で実施されるCBT方式で、パソコンの画面上で解答する形式です。

科目Aと科目Bは別の試験だと考える

2つの科目は、問われている力がそもそも違います。科目Aは知識、科目Bは考える手順を見られる試験です。

概要を表にまとめました。数字はIPAが公開している試験要綱に沿ったものです。

項目 科目A 科目B
出題数 60問 20問
試験時間 90分 100分
出題形式 四肢択一 多肢選択
中心となる内容 テクノロジ・マネジメント・ストラテジの知識 アルゴリズムと擬似言語、情報セキュリティ
合格の基準 1,000点満点で600点以上 1,000点満点で600点以上

見てのとおり、両方で600点を超えないと合格になりません。片方だけ得意でも通らない試験だということです。

そして時間の使われ方に注目してください。科目Bは20問しかないのに、科目Aより長い100分が与えられています。

これは、1問に時間をかけて読み解く試験だという意思表示でしょう。暗記で押し切れる科目ではないのです。

なお採点はIRTと呼ばれる方式で行われるため、単純に6割正解すれば600点になるとは限りません。何割という感覚より、確実に解ける問題を増やすほうが安全です。

勉強時間の配分は科目Bに寄せる

出題数だけを見ると、60問ある科目Aのほうが重く見えます。ただ、初心者がつまずいて落ちるのはほとんどが科目Bです。

理由ははっきりしていて、科目Aは知らなければ調べて覚えれば進みますが、科目Bは知識を入れても読めるようにはならないからです。読む練習の時間そのものが必要になります。

そのため、勉強時間は科目Bに厚く配るのが基本です。半々ではなく、科目Bに6割ほど寄せるくらいでちょうどよいと考えてください。

どちらから手を付けるかで迷っている場合は、順番だけを扱った記事もあります。

【関連記事】基本情報は科目AとB、どっちから勉強する?先に科目Bと言い切る理由について解説!

勉強法の全体像|4つの段階を順番に進める

全体の地図を先に見ておきましょう。地図があるだけで、いま何をしているのかが分からなくなる状態を防げます。

進め方を4つの段階に分けました。各段階でやることを一つに絞ってあります。

段階 やること 終わりの合図
1 試験の形と擬似言語の記法を知る コードの記号の意味が分かる
2 科目Bの短いコードをトレースする 3行程度の処理を紙で追える
3 科目Aの知識を過去問で入れる 分野をまたいで6割前後を取れる
4 通しで解いて時間感覚を作る 100分で20問を回し切れる

順番に意味があります。段階1と2を先に置いているのは、擬似言語に慣れるまでに時間がかかるからです。

早く始めれば、それだけ触れる回数が増えます。科目Aは後半で一気に伸ばせるので、後ろに回して問題ありません。

試験そのものをまだつかめていない人は、入口を整理した記事から読むと迷いが減ります。

【関連記事】基本情報技術者試験は何から勉強する?初心者向けの始め方

科目Aの勉強法|広く浅く、繰り返しで固める

段階3にあたる科目Aの進め方を見ていきます。ここは効率よく回すことがすべてです。

科目Aの範囲は、コンピュータの仕組みからネットワーク、データベース、プロジェクト管理、経営戦略まで広がっています。全部を深く理解しようとすると、まず終わりません。

テキストは1周目で完璧にしない

いちばん多い失敗が、1周目で理解しきろうとして途中で力尽きるパターンです。私が相談を受けた人の半分近くは、これで止まっていました。

テキストは、分からない箇所を残したまま最後まで進めてください。2周目、3周目で拾えばよいのです。

同じ用語には、後の分野でまた出会います。二度目に見たときの理解のほうが、一度目より深くなるものです。

過去問は分野をまたいで回す

知識を定着させる主役はテキストではなく、過去問です。読んで覚えるより、問われて思い出すほうが記憶に残ります。

このとき、分野ごとにまとめて解くのは1周目までにしましょう。2周目からは分野を混ぜて解いたほうが、本番に近い形になります。

科目Aは同じ論点が形を変えて繰り返し出る試験です。何年分かを回していると、見覚えのある問題が増えていきます。

間違えた問題には印を付け、翌日にもう一度解いてください。その日のうちに解き直すより、少し時間を空けたほうが定着します。

計算問題は捨てずに型だけ覚える

科目Aには、基数変換や稼働率のような計算問題も混ざります。文系出身の人ほど、ここで手が止まりやすいところです。

ただ、出題される計算の型はそれほど多くありません。解き方の手順を一度覚えてしまえば、数字が変わっても同じ流れで解けます。

苦手だからと丸ごと飛ばすのはもったいない選択です。頻出の数問だけでも型を押さえておくと、得点が安定します。

科目Bの勉強法|擬似言語は読む練習でしか伸びない

ここが本題です。多くの人が最後まで苦しむのが、科目Bの擬似言語問題でしょう。

科目Bで出るのは、アルゴリズムと情報セキュリティです。配分としてはアルゴリズムのほうが多く、擬似言語で書かれたコードを読む力が直接得点になります。

科目Bという科目そのものの全体像は、専用の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】基本情報技術者試験の科目Bとは?擬似言語・アルゴリズム対策を初心者向けに解説

トレース表で値を追う

擬似言語は、眺めていても読めるようになりません。変数の値を書き出す練習を挟んで、はじめて追えるようになります。

たとえば、配列の中の最大値を求める処理を見てみましょう。

○整数型: saidai(整数型の配列: data)
  整数型: max ← data[1]
  整数型: i
  for (i を 2 から data の要素数 まで 1 ずつ増やす)
    if (data[i] > max)
      max ← data[i]
    endif
  endfor
  return max

このコードを目で追って納得しただけでは、本番では手が止まります。実際に値を入れて、1行ずつ書き出してみてください。

data が {3, 9, 4} のときの動きを表にしました。

時点 i data[i] 比較の結果 max
開始時 3
1回目 2 9 9 > 3 なので真 9
2回目 3 4 4 > 9 なので偽 9
終了 9

この表を書くのに1分もかかりません。それでも、頭の中だけで追うのとは正確さがまるで違います。

実務でも同じことをしています。私は不具合を追うとき、いまだにログに値を出して1行ずつ確認します。

頭の中で処理を追い切れる人など、そう多くありません。表に書き出すのは初心者の甘えではなく、確実な手順なのです。

トレース表の書き方そのものに不安がある人は、書き方を解説した記事も参考にしてください。

【関連記事】擬似言語のトレース表の書き方|科目Bで変数の値を追う手順を解説

情報セキュリティは短期で取り切る

科目Bのもう一つの柱が情報セキュリティです。こちらはアルゴリズムと違い、知識で解ける問題が多く含まれます。

つまり、短期間で点数に変えやすい領域だということです。擬似言語に時間を使うためにも、ここは早めに固めてしまいましょう。

科目Aのセキュリティ分野と内容が重なる部分もあるので、まとめて学習すると効率が上がります。

科目Bの詳しい進め方

科目Bの勉強法だけで一本の記事になるほど、やることは多いです。順番と教材の使い方をまとめた記事を用意しています。

【関連記事】基本情報技術者試験 科目Bの勉強法|初心者が合格までにやることを順番に解説

つまずいたときの直し方

進めていると、必ずどこかで止まります。止まること自体は問題ではなく、原因を取り違えることが問題です。

よくある状態と、そのときの対処を表にまとめました。自分に当てはまる行を探してみてください。

つまずいている状態 本当の原因 次にやること
コードの意味が分からない 記法をまだ覚えていない 記号と書式の一覧を確認する
読めるが答えが合わない 値を頭の中で追っている トレース表を必ず書く
時間内に解き終わらない 読み直しが多すぎる 変数の宣言から順に読む型を作る
科目Aが伸びない インプット偏重 過去問を解く時間を増やす
やる気が続かない 目標が遠すぎる 1日1問だけ解く形にする

どの行も、努力の量ではなくやり方の問題です。量を増やす前に、やり方を一つ変えてみてください。

私自身、新人がコードを読めないと言うとき、たいていは能力ではなく手順の問題でした。読む順番を決めてあげるだけで、翌週には別人のように追えるようになります。

とくに最後の行は軽く見られがちですが、継続できるかどうかが合否を分けます。1日1問でも、触れない日を作らないほうが結果的に速いです。

直前期は新しいことを始めない

試験日の2週間前くらいからは、進め方を切り替えましょう。ここで新しい教材に手を出すのは危険です。

やることは3つに絞られます。解いた問題の解き直し、間違えた論点の確認、そして時間を計った通し練習です。

科目Bは100分で20問なので、1問あたり5分が平均になります。実際には簡単な問題を3分で終わらせ、重い問題に8分使うといった配分になるでしょう。

この感覚は、時間を計って解かないと身につきません。直前期に一度は通しで解いておいてください。

そして本番では、分からない問題に固執しないことです。1問に10分かけるより、残りを確実に取るほうが合格に近づきます。

前日にやることも決めておくと、当日の朝に慌てずにすみます。新しい問題は解かず、印を付けた論点を眺めるだけで十分です。

睡眠を削って詰め込むより、頭が動く状態で会場に着くほうが点になります。ここまで積み上げてきたものは、一晩で消えたりしません。

手を動かす場所を用意しておく

勉強法を整えても、動かす場所がないと擬似言語は身につきません。紙のトレースに加えて、実際に動く環境があると理解が速くなります。

Giji Academy では、擬似言語のコードを画面上で動かしながら学べます。値がどう変わるかを目で見られるので、トレースの答え合わせに使えます。

自分の書いた表と画面の値がそろったとき、読めているという確信が持てるはずです。まずは短いコードから試してみてください。

学習を始める場所はこちらから選べます。

まとめ

最後に、この記事の要点を振り返っておきます。

基本情報の勉強法は、科目Aと科目Bを別の試験として扱うところから始まります。科目Aは知識を繰り返しで固め、科目Bは擬似言語を読む練習で伸ばす、というように中身が違うからです。

進め方は4段階でした。試験の形と記法を知り、短いコードをトレースし、科目Aを過去問で固め、最後に時間を計って通す。

時間配分は科目Bに寄せてください。落ちる原因の多くは科目Bにあり、そこは慣れるまでに時間がかかる場所だからです。

そして擬似言語は、表に書き出しながら読むのが確実な道です。実務でも同じことをしているのですから、遠回りではありません。

範囲は広いですが、順番さえ決まれば1日ごとにやることは1つになります。今日は最大値を求めるコードのトレース表を、1枚書いてみるところからでどうでしょうか。

その1枚が、合格までの一番確かな一歩になります。

擬似言語の基礎から応用まで学べる
Giji Academy

Giji Academyでは、擬似言語の基礎からアーキテクチャなどの応用的な内容まで幅広く学べます。
また、ブラウザ上で直接擬似言語コードを試すことができ、実践的なスキルを身につけることが可能です。

擬似言語の学習を始める

擬似言語の学習をここから始めよう。