基本情報技術者試験は高校生・大学生でも受かる?学生向けの進め方

公開日: 2026-09-20

高校生の自分でも、基本情報って受かるのかな。

働いた経験がないと不利なのでは、と不安になっていませんか?

先に結論をお伝えします。基本情報技術者試験に年齢や学歴の条件はなく、学生でも同じ土俵で受けられます。

しかも学生には、社会人にはない強みがあります。まとまった時間を取れることと、学校で習う内容が試験範囲と重なっていることです。

私はエンジニアとして10年以上、Webシステムの開発や運用に携わってきました。採用や新人研修に関わる中で、学生のうちにこの資格を取っていた人を何人も見ています。

その人たちが口をそろえて言うのは、実務経験がないことより、基礎を先に一周できたことの効果が大きかったという話です。だから学生の受験は、遠回りではありません。

この記事では、学生が試験とどう向き合えばいいかを、時間の使い方まで含めてお伝えします。試験そのものの中身から確かめたい人は、先に親記事を読んでおくと迷いません。

【関連記事】基本情報技術者試験とは?試験内容・難易度・勉強法を初心者向けに解説

高校生・大学生でも受験できる

まず、受けられるかどうかをはっきりさせておきましょう。ここで止まっている人が意外と多いからです。

基本情報技術者試験は、年齢や学歴、実務経験による受験の制限がありません。中学生や高校生の合格者が毎年出ていることも、広く知られています。

試験はCBT方式で、通年で実施されています。日程が年2回に限られていた時代とは違い、自分の予定に合わせて受験日を選べます。

つまり、テスト期間や部活の大会を避けて申し込めるということです。学生にとっては、この仕組みが一番大きな追い風になります。

試験の形を数字で押さえておく

受けられると分かったら、次は相手の形を確認しましょう。ここを知らないまま参考書を開くと、量に圧倒されます。

試験は科目Aと科目Bの2つに分かれていて、同じ日に続けて受けます。

項目 科目A 科目B
出題数 60問 20問
試験時間 90分 100分
問われるもの 幅広い知識 アルゴリズムと情報セキュリティ
合格の基準 1,000点満点で600点以上 1,000点満点で600点以上

問題数を見ると、科目Bは20問しかありません。そのぶん1問の重みが大きく、対策の中心はここになります。

学生がまず時間を使うべきなのも、右の列です。知識の量ではなく、読む力を育てる時間が必要だからです。

学生が有利な点と不利な点

社会人と学生を比べたとき、どちらにも良い面と厳しい面があります。整理しておきましょう。

観点 学生 社会人
勉強時間 まとまって取りやすい 細切れになりやすい
実務のイメージ 湧きにくい 業務と結びつけやすい
用語への慣れ 学校の授業で触れている 職場で自然に覚えている
受験日の調整 学校行事との調整が必要 仕事の繁忙期を避ける必要がある

表を見ると、有利と不利はきれいに裏返しになっています。学生の弱点は実務のイメージ、強みは時間です。

この弱点は、勉強のしかたで十分に埋められます。逆に、社会人が時間を作るほうがずっと大変だというのが正直なところです。

難しさは学年ではなく知識の量で決まる

高校生だから難しい、大学生なら簡単、という話ではありません。差が出るのは、パソコンや数学にどれだけ触れてきたかです。

情報系の学科で学んでいる人なら、科目Aの半分近くは見たことのある用語が並びます。まったく触れていない人は、最初の1か月を用語に慣れる期間だと考えてください。

難易度の中身をもう少し細かく知りたい人は、分解して説明した記事があります。

【関連記事】基本情報技術者試験の難易度は?初心者がつまずく場所を解説

学生がつまずきやすいのはこの2か所

相談を受けていると、学生が止まる場所はだいたい決まっています。2つに絞ってお伝えします。

どちらも対処法がはっきりしているので、先に知っておけば怖くありません。

仕事を知らないと想像しにくい分野

科目Aには、マネジメント系やストラテジ系と呼ばれる分野があります。プロジェクトの進め方や、企業の経営に関わる内容です。

働いた経験がないと、場面が思い浮かばないまま用語だけ覚えることになります。ここが学生のつらい場所です。

対処法は単純で、部活動や文化祭の運営に置き換えて考えることです。人と予算と期限をやりくりする話だと分かれば、用語はただの名前になります。

実務経験のない状態からの進め方は、こちらの記事でも扱っています。

【関連記事】基本情報技術者試験は未経験でも受かる?初心者が最初にやること

擬似言語は経験差が出にくい

もう一つの山が科目Bの擬似言語です。ただしこちらは、学生にとって不利ではありません。

擬似言語は試験のために作られた書き方なので、業務でプログラムを書いている人にも初見の部分があります。スタートラインの差が、他の分野より小さいのです。

実際に見てみましょう。配列の中身を1つずつ足していくだけのコードです。

○整数型: 合計(整数型の配列: data)
  整数型: i
  整数型: goukei ← 0
  for (i を 1 から data の要素数 まで 1 ずつ増やす)
    goukei ← goukei + data[i]
  endfor
  return goukei

難しい単語は出てきません。必要なのは、値がどう変わるかを順番に追う根気だけです。

data が {3, 7, 5} のときを追うと、次のようになります。

i data[i] goukei
ループ前 0
1 3 3
2 7 10
3 5 15

答えは15です。この表を自分の手で書けるかどうかが、科目Bの得点をほぼ決めます。

Giji Academy では、こうしたコードを1行ずつ実行して変数の動きを画面で見られる擬似言語シミュレーターを無料で公開しています。紙の上で止まってしまう人は、動かしながら覚えるほうが早いです。

擬似言語シミュレーターでコードを動かしてみる

科目Bで何が問われるのかを先に押さえておきたい人は、こちらの記事からどうぞ。

【関連記事】基本情報技術者試験の科目Bとは?擬似言語・アルゴリズム対策を初心者向けに解説

学校生活に合わせた進め方

時間があるとはいえ、授業も部活もあります。現実的な回し方を決めておきましょう。

学生の勉強は、学期中と長期休みで型を変えるとうまくいきます。

時期 主にやること 1日の目安
学期中 科目Aの用語を少しずつ、擬似言語を1日1本 30分から1時間
長期休み 過去問演習と苦手分野の集中対策 2時間から3時間
試験の2週間前 通し演習と暗記分野の総仕上げ 1時間から2時間

大事なのは学期中の行に書いた、擬似言語を1日1本という部分です。読む力は毎日の積み重ねでしか伸びません。

長期休みは、まとまった演習に充てましょう。社会人がなかなか取れない時間なので、ここが学生の一番の武器になります。

部活やバイトと両立する1日の型

忙しい日は、勉強時間を確保しようとするほど続きません。時間ではなく、やることの個数で決めるのがおすすめです。

帰宅してから擬似言語のコードを1本読む、用語を5つ確認する。この2つだけなら、疲れている日でも10分で終わります。

私も仕事が立て込んでいる時期は、やる量を極端に小さくして途切れさせないようにしています。ゼロの日を作らないことが、結局いちばん速い進み方です。

受験日は自分で選べる

CBT方式なので、申し込みのときに自分で日程を決められます。定期テストや大会の直後は避けて、余裕のある時期に置いてください。

先に受験日を決めてしまうほうが、勉強は進みます。締め切りがないと、どうしても後ろ倒しになるからです。

全体の勉強時間の見積もりは、別の記事にまとめてあります。自分の残り時間と照らし合わせてみてください。

【関連記事】基本情報技術者試験の勉強時間は何時間?未経験・社会人別に目安と配分を解説

授業で習う内容とつながっている

学校の勉強が無駄にならないのも、学生の強みです。数学の集合や確率、情報の授業で扱う2進数や論理回路は、そのまま科目Aの出題範囲に入っています。

授業を試験対策の一部だと思って受けると、二重に得をします。定期テストの勉強が、そのまま科目Aの対策になるからです。

私も学生時代に学んだ基礎の考え方は、今でも仕事で使っています。試験勉強と学校の内容が重なるのは、それが本当に土台になる部分だからです。

過去問は早めに1回分だけ解く

参考書を全部読んでから過去問に入ろうとすると、いつまでも本番の形を知らないままになります。1か月ほど進んだら、一度解いてみてください。

点が取れなくて当たり前です。目的は、問題の長さと時間の感覚をつかむことにあります。

早い段階で形を知っておくと、その後に読む参考書の見え方が変わります。どこが出るのかが分かるからです。

文系でも不利にはならない

情報系ではないから無理だ、と考える必要はありません。擬似言語は、数学の難しい知識を前提にしていないからです。

必要なのは、書かれた手順どおりに値を追う作業です。丁寧さがそのまま点になる分野だと考えてください。

文系の人がどう進めればよいかは、専用の記事があります。

【関連記事】文系でも基本情報技術者試験は受かる?擬似言語のつまずきを乗り越える勉強法

学校の講座を使えるなら使う

学校によっては、情報処理の講座や対策授業が用意されていることがあります。使えるものは遠慮なく使ってください。

一人で悩む時間が減るぶん、進みが速くなります。分からない箇所をその場で聞ける環境は、独学にはない強みです。

講座がない場合でも、先生に質問できる関係を作っておくと助かります。擬似言語のコードは、口頭で説明してもらうと一気に腑に落ちることがあります。

合格すると何が変わるのか

最後に、取ったあとの話もしておきます。ここは誇張せずにお伝えします。

この資格を持っているだけで就職が決まるわけではありません。ただし、次のような場面では確かに効きます。

場面 効き方
就職活動 情報系の基礎を学んだ証明として使える
入社後の研修 内容を知っているぶん余裕が生まれる
進学・推薦 学校によっては評価の材料になる
自分の中の変化 用語が分かるので技術の話に入りやすい

一番下の行が、実は一番大きいと私は感じています。用語の意味が分かると、技術記事や先輩の話が急に理解できるようになります。

そこから先の学びが加速するので、早いうちに取る価値があります。試験そのものより、その後に効いてくる資格です。

就職活動で話せる材料になる

資格そのものより、勉強の過程を話せることに価値があります。どこでつまずき、どう直したかは、面接でそのまま使える材料です。

私が面接に立ち会うときも、資格の有無より、その人が何をどう学んだかを聞きます。自分の言葉で説明できる人は、入社後の伸びも速いです。

擬似言語のトレースで苦労した話は、地味に見えて強い題材になります。粘り強さと、手順を追う正確さが伝わるからです。

独学で十分に狙える

学校で講座がなくても、独学で合格を目指せます。無料の教材や過去問が豊富にあるからです。

一人で進めるときのコツは、別の記事にまとめてあります。

【関連記事】基本情報技術者試験は独学で合格できる?初心者向けの進め方を解説

落ちても受け直せる

CBT方式では、一定の間隔を空ければ再受験ができます。1回で決めなければならない試験ではありません。

だから、準備が完璧でなくても申し込んでよいのです。受けてみて分かる弱点のほうが、参考書を読んで気づく弱点より正確です。

とはいえ受験料はかかるので、1回目から本気で狙うのは当然です。申し込みの手順や締め切りは、受ける時期に公式サイトで確認してください。

まとめ

基本情報技術者試験は、高校生でも大学生でも受けられる試験です。実務経験がないことは、思っているほど不利になりません。

今日お伝えした内容を振り返っておきましょう。

ポイント 内容
受験資格 年齢・学歴・実務経験の制限なし
学生の強み まとまった時間と、授業との重なり
学生の弱み 仕事の場面が想像しにくい分野
進め方 学期中は擬似言語を毎日、長期休みに演習
合格後 用語が分かり、その後の学びが速くなる

学生のうちに一度でも試験勉強を通すと、技術の全体像が頭に入ります。それは、あとから取り戻すのが難しい財産です。

まずは擬似言語のコードを1本、値を追ってみるところから始めてください。思っているより読めるはずです。

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